このように、会社予想と市場予想との間に「ずれ」が生じることによって、今後、企業が発表する決算や業績見通しの修正に対して、株価の反応が変わってきます。マクドナルドの場合、業績が会社予想よりも期待の強い市場予想を上回ってこないと株価は上昇しづらいのではと考えることができます。よく、「増収増益の決算を発表したものの、株価は材料出尽くしや失望感で売られてしまった」というのが“相場あるある”として知られていますが、多くの場合は市場予想に届かなかったというパターンに当てはまります。
反対に、市場予想が会社予想よりも低いというケースもあります。こちらは市場予想の期待値が低くなっていますので、決算で減収減益などのさえない業績が発表されたとしても、市場予想の数字を下回らなければ、「思っていたよりも悪くなかった」として、株価が上がっていくこともあり得ます。
例えば、テストで同じ90点という点数を、のび太くんがとるのと、出木杉くんがとるのとでは意味が大きく異なってきます。普段から低い点数しかとっていないのび太くんにとっては期待値が低いため、90点は「よくやった!」となりますが、100点満点をとるのが当たり前になっている出木杉くんにとっては期待値が高いため、「どうしちゃったの?」となります。
このように、企業の決算は株式投資にとって重要な情報ですが、そこで発表される「売り上げが伸びた」、「利益が減少した」といった数字そのものと同時に、その数字が「市場の期待と比べてどうなのか?」という視点を持つことが大切なポイントになります。取引している銘柄の業績が、市場からの期待値と比較して高いのか低いのかを日頃から意識しておくことが重要です。
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