「年収1000万円超え世帯の住みたい街」上位に世田谷が入らない理由中古マンション購入アプリで調査(3/3 ページ)

» 2018年10月16日 08時10分 公開
[服部良祐ITmedia]
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AIのサービスにアナログな「気付き」が貢献

 結果、鈍化していたアプリの登録ユーザーの伸び率は3月の4.4%からリリース直後の4月には9.3%に跳ね上がった。17年9月に約1万人だったユーザー数は18年9月には約2万3000人に急増した。

 同社は他の不動産会社のWebサイトから集めた膨大な中古マンションの情報をビッグデータとしてAI(人工知能)で分析し、各物件の市場価値をはじき出している。ユーザーがカウル上で気になった物件を調べると、その物件の立地や間取りといった条件に応じた「適正価格」が算出される。ユーザーはアプリの示した適正価格と物件の実際の価格を比較することで、お得な物件を見つけられるという。

 不動産会社の営業担当者が経験則に基づいて提示するアナログな情報に顧客が頼らざるを得なかった中古マンション市場において、ハウスマートはビッグデータとAIによる客観的な情報をユーザーに提供して差別化を図ってきた。

 ただ、今回の学区という項目については営業担当者が顧客に普段接する中で気付かされ導入に至った面が大きいという。「AIは物件の適正価格を計算することはできるが、そもそも顧客から希望条件を聞いて最適な物件を提案するレベルにはまだ達していない」(針山さん)。

 近年、「不動産テック」などITを活用した「〇〇テック」と称するビジネスが林立している。一方で、AIではカバーしきれないアナログな「気付き」をサービスにどう導入できるかも重要と言えそうだ。

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