大型車、「左後輪」の脱落に注意を その理由は冬タイヤ交換を前に

» 2018年10月19日 16時53分 公開
[ITmedia]

 大型車(8トン以上のトラック、定員30人以上のバス)の車輪が脱落した事故のうち、8割以上が「左後輪」に集中していたことが国土交通省のまとめで分かった。また、冬用タイヤに交換する冬期に起きるケースが多いため、関係団体などを通じて注意を呼び掛ける。

photo 冬タイヤ交換を前に注意が必要=写真と記事は関係ありません

 2017年度に起きた大型車の車輪脱落事故は67件(うち人身事故2件)で、前年度から11件増加。原因はホイールのボルト、ナットの締め付け不良などの作業ミスが91%を占めた。

 脱落したのは「左後輪」が56件(83%)と集中。「右後輪」の10件と比べ際立っている。同省は原因について、自動車メーカーなどの見解を聞きながら調査中とした上で、

(1)右折時は比較的高い速度のまま旋回し、遠心力で積み荷の荷重が左輪に大きく働く、

(2)左折時は、低速度だが左後輪がほとんど回転しない状態で旋回し、回転方向に対して垂直にタイヤがよじれるように力が働く、

(3)道路は中心部が高く作られている場合が多く、車両が左に傾き、左輪に大きな荷重がかかる──と推定している。

photo 脱落は左後輪に集中=国交省の発表資料より

 前輪は右が1件、左がゼロだった。「異常が発生した場合、ハンドルの振動などで運転手が気付きやすいため」とみている。

 事故は37件(55.2%)が北海道など積雪地域で起き、11月〜3月に56件(84%)と、冬期に集中していた。冬用タイヤの交換がピークを迎えるのを前に、同省は大型車ユーザーらに注意を呼び掛けている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.