[大阪市 30日 ロイター] - 任天堂<7974.T>が30日発表した2018年4─9月期の連結営業利益は前年比53.7%増の614億円だった。家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」向けのソフト販売が拡大し、利益を押し上げた。通期業績予想は据え置いた。
4─9月期の売上高は前年比4.0%増の3889億円。スイッチ向けソフトの販売本数は同91.3%増の4213万本。ハードは同3.7%増の507万台だった。通期の販売計画はソフト1億本、ハード2000万台で据え置いた。
同社社長の古川俊太郎氏は大阪市内での記者会見で、業績予想に対する現状の進捗について、年末商戦前でもあり、「第2・四半期が終わった時点で好調か否かを判断するのは時期尚早だが、ここまでの経過としては順調に推移している」と述べた。
スマートフォン向けゲームなどの「スマートデバイス・IP(知的財産)関連収入」は、同4.7%増の187億円。ゲーム専用機におけるデジタルビジネスでは、「スイッチ」向けのダウンロード型ソフトや追加コンテンツなどの売り上げが伸び、デジタル売上高は同71.7%増の391億円となった。ともに利益率向上に寄与した。
今期末の前提為替レートはこれまでの1ドル105円、1ユーロ125円から変更なし。通期業績予想も売上高で前年比13.7%増の1兆2000億円、営業利益で26.7%増の2250億の計画を据え置いた。会社側の営業利益予想は、リフィニティブがまとめたアナリスト22人の予測平均値2805億円を下回っている。
<提携スマホゲーム「好スタート」と評価>
任天堂は今年4月、サイバーエージェント<4751.T>の子会社とスマートデバイス向けゲームアプリで業務提携すると発表。9月にスマートフォン向けゲーム「ドラガリアロスト」の配信を開始した。
古川氏は同ゲームの立ち上がりについて「売り上げの規模という意味では、他のアプリの方が良かったこともあるが、ユーザーの継続率や課金者数の推移は、過去の当社のアプリと比べても良い」と指摘。そのうえで「スマートデバイスのアプリやサービスは長い時間をかけて顧客との関係を構築し展開していくもの。顧客に継続して遊んでもらうことが重要だ」との見方を示した。
(長田善行、サム・ナッセイ)
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