40代で億り人になった普通の会社員が米国株を勧めるワケ たぱぞうさん個人投資家列伝(1)(1/2 ページ)

» 2018年11月12日 11時45分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 個人投資家の方々に、投資遍歴から投資に対する考え方まで聞いていくインタビュー企画。第1弾は、サラリーマンをしながら米国株への投資を中心に1億円もの資産を築いた投資ブロガー、たぱぞうさんに話を聞いた。

たぱぞうさんのブログ「たぱぞうの米国株投資」

 現在40代のたぱぞうさん(ブロガーネーム)は、人材開発系の会社に勤めるサラリーマンだ。とりわけ高給取りというわけでもなく、弊誌の平均的な読者と同じくらいの年収だという。しかし、早くから投資に取り組み、現在は金融資産や不動産、太陽光などを含めて1億円あまりの資産を築いた。

 「もともと投資をやる家系なんです。祖父は株が大好きで、赤鉛筆をなめて株価欄をチェックしていました。銀行員の父もやっていました。だから、社会人になったらみんな投資をやるものだと思っていました」

 温厚で落ちついた表情を見せながら、たぱぞうさんは自身の投資との関わりを話す。現在でこそ、月間100万ものPVを誇る米国株投資のカリスマブロガーだが、投資の出発点は日本株だった。

 「初任給で株を買いました。日本の建築株です。バリュー株を狙っていて、当時、構造不況といわれていて安かったですね。銀行株なども買いました。逆張りなので2〜3年持っていました」

 このころの日本株への投資がうまくいき、大きく資産を伸ばした。

リーマンショックとドル安を機に米国投資へ

 「転機になったのが、リーマンショックと為替変動です。リーマンショック直後くらいに米ドルの為替が80円を割ったんです。そのときに試しにドル転して米国株を買ってみたんです。米国のBank of Americaが激安の頃ですね。ADR(米国預託証券)でインドのTata Motorsも買ってみました。それぞれ倍くらいになったと思います」

 このリーマンショックを機に、たぱぞうさんは投資スタイルを変えていく。

 「よくよく考えると、個別の株を調べて買わなくても、指数が伸びてるんですよ。そこから(指数=インデックスへの投資に)移ったんです。銀行株のときのようにドキドキしながら株を買って、やっと上がっても種銭が小さいので利益は数百万ですよね。それに比べると、これは楽だな、と思いましたね」

 2016年からはブログを始めた。もともとは、会社の同僚に投資の魅力を伝えるために書き始めたのだという。

 「VTIいいよ、といっても彼らの感覚からすると遠すぎて。ツボを買うような感覚なんですよ。でも文章で書くと、ロジカルになるじゃないですか」

 VTIとは、インデックスファンド大手のVanguardが提供するETFだ。米国株式市場全体を投資対象とする。信託報酬も0.04%と安く、米国が成長する恩恵を受けるのに適したETFだといわれている。

 現在も逆張りを狙った個別株への投資はしているが、100万円までと決めているとたぱぞうさんは言う。「自分の好みの個別株をする時間がないんです。投資顧問会社でアドバイザーもしているんですが、僕が担当している銘柄が20種類くらいある。これの決算を全部読んで分析してレポートを出さなきゃいけない。自分の時間がなかなか取れないんです」

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