また「TY-AK1」には、かつてラジカセに親しんだ人たちにとっては嬉しいユニークな機能を2つ盛り込んだ。
1つめは、アップコンバートのON/OFFをスイッチによって任意に切り替えられるようにしたこと。ONにするとハイレゾ相当の音質、OFFのままだとアナログ音質が楽しめる。
2つめは、現在製造されていないハイポジションテープも自然な音で再生できること。ハイポジションテープは録音できる高音の幅が広く、高音が強めに録音される。そのため、ノーマルテープにのみ対応する現在のラジカセで再生すると、高音が強調されてキンキン響く。ハイポジションテープの再生に対応していたかつてのラジカセは、再生時に高音を落とすことでナチュラルな良い音で再生できたが、「TY-AK1」でもハイポジションテープ再生時は高音を落とし、ナチュラルに聴こえるようにした。
USBメモリーやSDカードに収めたハイレゾ音源を再生すると、[Hi-Res]マークが光る。光るマークや音に合わせて動くレベルメータ([Hi-Res]マークの右側)といったギミックの搭載は、かつてのラジカセをほうふつさせるカセットテープ本体に開いている穴の位置からテープの種類を識別して、テープを入れると自動的に機能を切り替えることもできたが、「TY-AK1」はかつてのラジカセと同じように、ユーザーが手動で切り替えなければならない。「自分で切り替えることで、ハイポジションテープを再生する行為を楽しめるようにしました」(堀越氏)。カセットテープに込められた思い出を呼び覚ます儀式として、テープの識別を当時と同じ手動にしたというわけだ。
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