米証券取引委員会(SEC)は11月29日、違法にICO(Initial Coin Offering、仮想通貨の新規公開)を宣伝したとして、米プロボクシング選手のフロイド・メイウェザー氏とDJキャレド氏を起訴したと発表した。
両名は企業から宣伝費を受け取っている事実を投資家に伝えることなく、ICOを盛り上げるべく宣伝していたという。SECがICO関連の宣伝違反を起訴するのは今回が初めて。
メイウェザー氏はICOを実施した3社から計30万ドルを宣伝に対する対価として受け取っていた。
そのうちの1社は仮想通貨関連サービスを提供する米企業のCentra Tech。宣伝への対価としてメイウェザー氏に10万ドル、キャレド氏にも5万ドルを支払っていた。同社の創業者は今年に入り、ICO関連で詐欺行為を働いたとして起訴されている。
メイウェザー氏は不正に受け取った30万ドルの返還と罰金30万ドルとその利息1万4775ドル、キャレド氏は不正に受け取った5万ドルの返還と罰金10万ドルとその利息2725ドルの支払いが求められており、両名とも支払いには同意しているようだ。
さらにメイウェザー氏においては今後3年間、キャレド氏においては今後2年間は証券やデジタル資産などを宣伝しないことも命じられた。
メイウェザー氏は自身のTwitter上で「(ICOが)数時間後に始まる。売り切れる前に購入するんだ。自分はもうゲットしている」などと、煽るようにICOを宣伝していた。
SECは「投資家はセレブリティーのコメントを基に(投資をするか)判断すべきではない。ソーシャルメディア上のインフルエンサーはだいたいが(宣伝に対する)報酬を受け取っている上に、投資のプロではない。彼らが宣伝しているものが何であれ、詐欺の可能性は十分にある」と警告している。
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