メイウェザーが、RIZINで「エキシビション」にこだわる事情赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2018年11月22日 10時41分 公開
[臼北信行ITmedia]

 究極のミスマッチであることは明白だ。今年の大晦日にさいたまスーパーアリーナで行われる格闘技イベント「RIZIN.14」で、プロボクシング世界5階級制覇のフロイド・メイウェザー・Jr(米国)とRISE世界フェザー級王者の那須川天心が激突する。両者の格が余りにも違い過ぎるだけに、なぜこんな突拍子もない異種格闘技戦が実現する運びとなったのか。首をかしげている人は多いだろう。

 もっとも、この試合前の“場外戦”で主導権を握っているのはメイウェザー側だ。11月5日に両選手出席のもとで会見が行われたものの、わずか3日後にメイウェザーがInstagramでRIZIN側の対応をチクリと刺し、試合をキャンセルする意向を示した。しかし、これはメイウェザー側の常とう手段。「マネー(カネの亡者)」の異名通り、ビッグマッチ直前に突然「やらない」と一方的に放棄する姿勢をみせ、プロモーターを困らせた挙句にファイトマネーの吊り上げを狙うことも、これまで平然とやってきた前歴がある。実現決定までダダをこねながら5年を費やしたマニー・パッキャオとの世紀の一戦が、そのいい例だ。

 結局、RIZINの榊原信行実行委員長が渡米し、メイウェザーと直接会談後「ミスアンダースタンディングは解決しました」とTwitterに投稿。メイウェザーも米メディアの取材に対して、予定通りに日本のRIZINで大晦日のリングに立ち、那須川と試合することを表明した。両者の話し合いの詳しい中身までは不透明にせよ、どうやら当日の試合に関するすり合わせ作業が行われた模様だ。それはメイウェザーが米国のニュースサイトに対して打ち明けたコメントからも分かる。

試合前の“場外戦”で、メイウェザー側が主導権を握っている(写真提供:ゲッティイメージズ)

 彼が「TMZ Sports」に語ったところによれば、「当日はボクシングのエキシビションになる。オレは9分間、対戦相手の周りを動き回るんだ。そしてこの試合は史上最も高い報酬のエキシビションとなるよ」。そう、これはエキシビションマッチで「花相撲」なのだ。「9分間」という言葉から試合形式も、どうやら3分3ラウンド制で行われるようである。

 ちなみに関係者の話を総合すると、メイウェザーの報酬は現時点で15億円プラスアルファ。このプラスアルファは大会の収益で上下するという。メイウェザーの言う通り、エキシビションとしてはかなりの高額である。

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