メイウェザーは当初、試合がエキシビションと発表されていたはずなのに、RIZIN側が「真剣勝負」と余りにあおり過ぎていたことで警戒心を強め、不信感をあらわにしてキャンセルをチラつかせながら態度を硬化。こうしたいつもの常とう手段が功を奏する形で、RIZIN側から「大晦日の試合はボクシングのエキシビション」という確約をあらためて得たのだから、内心はほくそ笑んでいるに違いない。人々を楽しませるエキシビションで最低15億円もの巨額ファイトマネーが手にできるとなれば、それはそうだろう。
一方、対照的にRIZIN側は、このエキシビションマッチをいかに「真剣勝負」のように見せるかで今も腐心し続けている。榊原実行委員長が「日米野球も米国では『エキシビションゲーム』と言われている」と少々強引な例を引き合いに出しながら、いかに今度のメイウェザーVS. 那須川戦が「花相撲」ではなくガチンコ勝負で、KO決着必至だと論じてもやはり説得力は大きく欠けてしまう。
何せ当のメイウェザーには真剣勝負をやる気がまるでない。エキシビションという確約をRIZIN側から得たからこそ、試合を行う決意をあらためて固めたのだ。ルールについても那須川のキックは一切認めず、パンチによる打撃のみのスペシャルスタンディングルールとなることが内定。メイウェザー側は自分に都合よく一切不利な要素がないように、無難にエキシビションマッチが終わるようなルールに持っていこうとしている。
パンチについてはキックボクシングで認められているバックブローが組み込まれるかも注目されているが、これもまず容認されることはないだろう。相手のペースで戦うことを嫌う百戦錬磨のメイウェザーがOKするはずがない。
RIZIN側にはボクシングのプロモートライセンスがなく、相手の那須川もボクシングライセンスを取得していないため、大晦日の大会でボクシングの公式戦を組むことはできない。それでも最終的に両者の一戦は、ボクシングと同じルールとなりそうだ。那須川が試合当日にリングシューズを着用しないなどボクシング公式戦では認められていないスタイルでリングインすれば、それだけでエキシビションもとい非公式戦としてみなされるのでライセンス問題はクリアできる。
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