コラム
» 2018年11月22日 10時41分 公開

赤坂8丁目発 スポーツ246:メイウェザーが、RIZINで「エキシビション」にこだわる事情 (3/4)

[臼北信行,ITmedia]

わざわざ相手をKOする必要はない

 事情通はこうも言う。

 「もしボクシング公式戦でメイウェザーにファイトマネーを支払うとしたら、15億円なんてはした金ではとてもじゃないが足りない。パッキャオ戦で彼が手にしたのは約1億2000万ドル(約135億6000万円)。12ラウンド36分のファイトマネーとしては超破格だが、エキシビションではなく真剣勝負をしてもらうなら、これに見合う額を用意する必要性がある。もしガチンコの異種格闘技戦やRIZINルールのMMA(総合格闘技)の試合を組むなら、なおさらだ」

 メイウェザーのほうが那須川より体重は10キロ以上、重い。ボクシング技術の差も歴然としており、天と地ほどの開きがある。そんな超一流のパンチが本気モードで繰り出され、まともにヒットすれば、さすがの那須川といえどもひとたまりもないだろう。3ラウンド以内で文句なしの圧勝だ。そのぐらいのことはメイウェザークラスなら分かっている。

 だからこそ「花相撲」では格下相手に得意とするアウトボクシングで小刻みにパンチを入れて様子をうかがいながら所々で場内をわかせ、お茶をにごしたまま3ラウンド終了のゴングを聞くつもりなのではないだろうか。エキシビションととらえているのだから、わざわざ相手をKOする必要性はない。しかも倒しに行くことで不用意に相手のラッキーパンチを浴びてしまう可能性もゼロではなく、何らかのアクシデントによって自らの拳を痛めてしまうことも考えられなくはない。

 メイウェザーは自身のInstagramでも示唆しているように、現WBA世界ウェルター級王者・パッキャオとの再戦が実現しそうな雲行きになっている。巨額のファイトマネーが入るリマッチのことを考えれば、エキシビションでケガだけはしたくない。だからこそ那須川のいい部分を引き出しながら戦う。いくらエキシビションとはいえ、あまりほめられたものではないが、プロレスでいえば、かつてのアントニオ猪木の「風車の理論」(相手の力を引き出しながら勝つ)のような戦い方をやるつもりなのではないかと予想する。

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