カラダカルピスは大人をターゲットにして支持された。「健康」を打ち出すことに加えて、「大人」への訴求がブランド再成長の大きな原動力となったのだ。
16年に発売した「濃いめのカルピス」も、大人をターゲットにして成功した商品。子どものころに憧れた「濃いカルピス」を大人になって味わい、ぜいたくな気持ちになる。主に男性のビジネスパーソンに向けて「癒やし」を提案している。販売量の増加に「大きく寄与している」(田中氏)ヒット商品に育っている。
カラダカルピスと濃いめのカルピスによって、大人をターゲットとした「健康」と「嗜好品」のニーズをまとめて取り込んだ。この2商品がブランドの成長をけん引しているという。「派生商品は昔から出していましたが、あまり定着しませんでした。カルピスウォーターなど、他の商品とユーザーを取り合う形になっていたからです。この2商品はこれまでとは違うニーズを掘り起こし、定着しました」(田中氏)
従来、20代以上は“卒業”してしまう「子どもの飲み物」というイメージが根強かったカルピス。それぞれの世代に合った商品展開で、「離脱させず、切れることなくつながりを保つことができている」(田中氏)
長い歴史を経て、商品が持っている本来の価値に立ち返った結果、大人にもカルピスを思い出させることができた。ロングセラーであっても、斬新なコンセプトを打ち出さなくても、再び成長できるという好例だろう。
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