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» 2019年01月19日 09時00分 公開

前売り券は完売:両国駅“幻”のホームで「燗酒とおでん」 “あまり飲まない”層を狙う業界の危機感 (2/2)

[加納由希絵,ITmedia]
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なぜ「おでん」と「駅のホーム」?

 「全国燗酒コンテスト」は2009年から毎年開催しており、18年の出品酒の数は838点に上った。燗酒に特化したコンテストは世界で唯一だという。コンテストをきっかけに、燗に向いている商品を見直すメーカーもあり、入賞酒の品質は上がっている。

 しかし、コンテストが盛り上がる一方で課題もあった。それは、「日本酒好きの人にしか知ってもらえていない」こと。以前は「燗酒コンテスト入賞品お披露目」と銘打ったイベントを実施していたが、「好きな人しか来てくれない」。裾野を広げる取り組みが必要だった。

photo 全国燗酒コンテストで入賞した酒蔵がブースを構えた

 そこで目を付けたのが、「酒以外の切り口」だ。地酒と同じように各地で味が違うおでん、そして、幻といわれる3番線ホーム。これらを組み込むことで、「普段は日本酒をあまり飲まない人に興味を持ってもらえるようにした」という。

 3番線ホームはこれまでもイベント会場として使われてきたが、使用には制限も多い。火を使わない調理済みおでんを提供することにし、墨田区の観光協会などにも協力してもらいながら実現した。

photo 火を使わない調理済みのご当地おでんを提供した

 お酒の選択肢が増え、日本酒を取り巻く環境は厳しい。国税庁のデータによると、国内の清酒の販売量は20年前と比べて半分以下に減っている。山田さんは「新規のお客さんを増やしていかないといけない。既存客だけでは尻すぼみになる、と危機感を持っているメーカーが多い」と指摘する。

 清酒メーカーはほとんどが中小企業であるため、「地道にコツコツと開拓していくしかない。そのお手伝いをしていけたら」と山田さんは話す。今後も、燗酒のファンを増やすための“切り口”を探っていく。

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