ソニーは1月23日、発売から1年強が経過したことを機に、犬型ロボット「aibo(アイボ)」の機能を拡張すると発表した。2月中旬に専用ソフトウェアをアップデートし、オーナーが外出先からスマートフォンアプリ「My aibo」上で指示すると、aiboが家の中をパトロールして家族の様子をレポートする機能「aiboのおまわりさん」などを実装する。
aiboは人間と一緒に生活する中で、カメラやセンサーを使って障害物を認識し、歩行可能なエリアを学習する仕組みを持つ。「aiboのおまわりさん」はこれを発展させたもので、アプリ上で巡回してほしいエリアと探してほしい人を指定すると、規定の範囲内を歩き回り、安否情報を報告する。
高齢の両親など離れて暮らす家族の様子を知りたいが、カメラなどで“監視”するのは抵抗がある――という層の利用を想定。探してほしい人は10人まで登録可能で、aiboが巡回中に童謡「犬のおまわりさん」のメロディーを流したり、家族の様子を確認できた場合に、愛らしい敬礼ポーズをしたりする仕様も取り入れる。
利用料金は無償だが、さらに質の高い見守りを提供する月額課金制サービス「aiboプレミアムプラン」(月額税別1480円)を6月から開始する予定。
月額課金サービスでは、当初はaiboを通じて室内の様子をリアルタイム配信する機能や、家族の様子を確認した場合にプッシュ通知を送信する機能を展開するが、将来的には不審者を検知した場合に警備員を呼んだり、家族の体調が急変した場合に異常を知らせたりする機能を追加する計画。
こうした機能の実装に向け、ソニーは同日、警備サービス国内最大手のセコムと協業すると発表。IoT(モノのインターネット)機器を活用した防犯・監視サービス「セコム・ホームセキュリティ」と「aiboのおまわりさん」を連携させる実証実験などを行い、aiboが泥棒を見つけたら、セコムの警備員が飛んでくる――といった仕組みの実現を目指す。
ソニーの川西泉執行役員(AIロボティクスビジネス担当)は「aiboがより家族の一員になれるサービスだ」と強調。セコムの上田理執行役員は、同社のキャッチコピーとかけて、「これからは“アイボとセコムする”」と話した。
月額課金サービスではこのほか、aiboが撮影した写真を無制限に保存できる機能(現状は500枚のみ保存可能)「aiboのカメラマン」や、aiboと過ごす日常を「My aibo」上に日記形式で記録できる機能「aibo日記」なども提供していく。
また、ブラウン系カラーで彩色した19年限定モデル「aibo チョコ エディション」(税別19万8000円)を2月1日に発売することや、aiboのソフトウェアAPIを今夏にも無償で一般公開することも発表された。
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