韓国をはじめ、海外の飲食店はどのようなドタキャン対策を行っているのだろうか。谷口社長によると、キャパシティー以上の予約をとるお店が一定数存在するという。航空券のようにある程度のキャンセルが発生することを見越したうえで予約をとる考え方に近い。別のドタキャン対策としては、ネット予約システムを導入し、クレジットカードの情報をあらかじめお客に記入させ、ドタキャンした際には自動的にキャンセル料を徴収する方法もある。ちなみに、グローバルで比較すると日本のレストランは席数以上の予約を受け付けない傾向があるという。お客に迷惑をかけないようにしようという心理が強く働いているのが背景にある。
韓国の高級ホテル内にあるレストランの場合、電話予約が中心だったので、キャンセル料を徴収することが難しい状況だったとみられる。また、電話予約をすると、予約を受け付けた従業員が紙の予約台帳やExcelに転記する必要があり、そこで記入ミスが発生するリスクもあった。
電話での予約対応には別の問題もあった。韓国では個人情報保護の観点から、電話で予約を受け付けた場合、取得した顧客情報を1カ月以内に消去することが法律で決められているという。オンラインで予約を受け付ければ、事前に「私の個人情報を1年間保管していいですよ」という欄にお客が自分でチェックできるので、ホテルとしてはより効果的に顧客管理ができる。
こういった背景を踏まえ、テーブルチェックの予約管理システムは韓国の高級店を中心に導入が進んでいった。「グランドハイアット ソウル」内にあるレストランの場合、予約数に占める直前キャンセルと無断キャンセルの割合は10〜15%あったが、現在は2〜3%台まで落ちているという。
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