JR東日本は3月28日、都内で会見を開き、東北・北海道新幹線や北陸新幹線で運行中の新幹線版ファーストクラス「グランクラス」の車内サービスを更新することを発表した。車内で提供される軽食や茶菓子、日本酒が一新される。こうしたリニューアルは、「グランクラス」が運行開始した2011年3月以来初めだという。
この新しい「グランクラス」では、これまで和食もしくは洋食から選べた軽食の内容が和食のみに統一される。食事の内容は各路線と方向によって異なり、東北・北海道新幹線と北陸新幹線で計4種類用意される。
この狙いについて、今回の和軽食を監修した料理人で、都内で日本料理店「日本料理 一凜」を営む橋本幹造氏はこう語る。
「『車窓から見える景色』をテーマに作りました。車窓から移りゆく景色というものは、飛行機でも船でも味わえないもの。車窓から見えるその土地土地の素晴らしさを感じてもらえるように工夫しています。特に東北・北海道新幹線では岩手県産『たかたのゆめ』、北陸新幹線では福井県産『いちほまれ』を使用し、お米にこだわりました。また上りと下りで白米と酢飯に変えています」
このほか、茶菓子は、JR東日本の豪華寝台列車「四季島」などで総料理長を務める岩崎均氏が手掛ける、かぼちゃを用いたパウンドケーキに変わる。日本酒は、東北・北海道新幹線では「伯楽星 純米大吟醸」が、北陸新幹線では「天狗舞 純米大吟醸50」が採用される。
これらの車内サービスは2019年4月1日より刷新され、軽食の献立は四季ごとに改められる予定だ。また、今回のリニューアルに伴い、グランクラス料金の改定はない。
そもそも、グランクラスはどのような顧客向けのサービスなのか、JR東日本営業部宣伝グループの深見真悟課長はこう説明する。
「グランクラスは飛行機ほどではないですが、会社で役職に就いている方や一定の所得がある方など、他の座席と比べリピーターが多い傾向があります。行きも帰りも乗ったり、月に何度も乗車したりする方も多いので、ある程度バリエーションを持たせていかなければという思いがありました」
今回のリニューアルでは、これまで2種類あった軽食が1種類に統一される。この狙いについて、深見課長はこう話す。
「これまで軽食のサービスを和食と洋食の2種類から選んでもらう形でしたが、どちらかと和軽食を選ぶ方が多いという印象でした。どうしても2種類用意すると廃棄ロスが生じてしまうので、そういうものを削減しつつ、内容を良くしていきたいと考えています」
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