ココカラは共に上場企業であったセガミメディクス(1937年に大阪市東成区で創業)と、セイジョー(1951年に東京都世田谷区で創業)が、08年の経営統合により生まれた会社で、現在は本社を横浜市港北区に置いている。
一方で、マルゼン(1970年に兵庫県尼崎市で創業)と、神薬堂(1949年創業で、神戸市中央区に本社があった)は04年に合併して、ライフォートという会社になった。そのライフォートと、名古屋市西区に本社があったジップドラッグが06年に合併して、アライドハーツHDが設立された。そのアライドハーツも上場会社だったが、アライドとココカラが10年に合併して新生ココカラが誕生している(それまでは、ココカラファインHDと名乗っていた)。
ココカラは18年に、中京地区でドラッグストアやスーパーなどを展開するバローHDと業務提携を行っている。他にも、多くの吸収合併や業務提携を繰り返してきており、ココカラは多くの企業文化を融合しつつ発展してきた、合併に積極的な風土がある。ココカラが仲介に入って、マツキヨ、スギと3社統合のシナリオもあり得る。
「ドラッグストア業界は百貨店、スーパー、コンビニよりも後発なので、業界再編は遅れていたが、最終的に残るのは3〜5社だ。業績が好調だからといって、どの会社も安泰ではない。規模の拡大が今は重要と考えている」とスギの広報担当者は語った。また、ココカラ、マツキヨの広報担当者と同様に、「ココカラとマツキヨの経営統合と、ココカラとスギの経営統合は全く別の話」としつつも、規模の拡大のためにできることは手を尽くすと語った。
18年度のドラッグストア業界は上位10社が全て売り上げを伸ばしている。日本チェーンドラッグストア協会によれば、約7兆2700億円の市場規模に成長した。00年度には約2兆6600万円だったので、2.7倍になっている。景気の減速感もあり、19年は伸び率が落ちそうだが、停滞している百貨店やスーパーなどに比べれば圧倒的な成長分野だ。
実は、イオンを中心にハピコムという共同でPBを開発して、仕入れをするグループが形成されている。ウエルシア、ツルハ、業界10位のクスリのアオキHDはそのメンバーである。ウエルシアはイオンの子会社でもある。
「ココカラスギモトキヨシ」が本当に誕生すれば、これら気心が通じた3社などが、合併に動く可能性も十分にある。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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