集英社は6月20日、チャットノベルアプリ「TanZak」(iOS/Android、ダウンロード無料)の配信を始めた。アプリ画面をタップすると、メッセージアプリのトーク画面のようにテキストが表示され、ストーリーを読み進められる。同社が出版する「週刊少年ジャンプ」連載作品のノベライズや、「集英社コバルト文庫」の人気作などを、スマートフォンでも読みやすい形に落とし込むことで、普段あまり小説を読まない人にも気軽に読書してもらえるようにする狙い。
同日時点での配信作品は、ハリウッド映画の原作になった「All You Need Is Kill」や、累計発行部数800万部を超える「なんて素敵にジャパネスク」、週刊少年ジャンプで連載中の「約束のネバーランド」のノベライズなど40作品。
以降は、「JUMP j BOOKS」「集英社コバルト文庫」「集英社オレンジ文庫」「スーパーダッシュ文庫」「ダッシュエックス文庫」のベストセラー作品などを中心に、1日1作品追加していく計画だ。加えてTanZak向けの新作も配信するが、ユーザーの投稿作品は募集せず、プロ作家の作品のみを配信する。
配信作品は、それぞれ3分程度で読める長さ(約1200〜2000字)で1話ごとに区切って掲載。地の文と会話文で囲みの形を変える、会話とモノローグでは吹き出しの色を変える、吹き出しには話者のアイコンを付ける――といった工夫をすることで、読書を中断しても内容をさっと思い出して再開できるようにした。
作品の冒頭は無料配信で、読み進めるにはアプリ内通貨(コイン)が必要。30枚以下なら40分に1枚付与される無料コインを使える他、有料で購入もできる。
同社の担当者は「スマホで縦書きの文章を読む機会はほとんどない。横書きのチャット形式で、ぱっと開いたところから読書を再開しやすくすれば、小説を読むことのハードルも下がるのではないか」としている。
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