なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2019年06月25日 05時00分 公開

長浜淳之介のトレンドアンテナ:「すしざんまい」危うし!? 東京進出する「スシロー」が蹴散らす同業者とは (3/5)

[長浜淳之介,ITmedia]

必勝パターン確立に向けて動くスシロー

 通常の郊外ロードサイドのスシローなら建物面積は100坪必要だが、都心のビルインタイプでは70坪以上を出店の基準としている。若干狭くてもいいと条件を緩和しているのだ。その代わり、これまで出店してきた山手線沿線の店では、1皿の値段が120円からと高めに設定されている。それでも、今まで都心部にあった回転寿司チェーンよりも相対的に安いので、どの店も好調に推移している。“120円寿司”でも成功している現状があるからこそ、今回のキャンペーンのような大胆な策を取れたのだ。

photo 東京のスシローに大行列

 スシローでは都心型店舗を成功させるためにさまざまな実験を行っている。荻窪店は2階、BIGBOX高田馬場は9階、国分寺店は地下1階の出店である。イトーヨーカドー武蔵小金井店は、イトーヨーカドーを核としたショッピングセンター内にある。1階路面ではないさまざまな物件を試して、どういう駅前立地なら成り立つのか、必勝パターンを確立するための情報収集を急いでいるように見受けられる。

 また、スシローは近年業態開発を進めており、10坪という狭い立地でも出店できる「スシローコノミ」や、25坪から出店可能な寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」を開発している。スシローコノミはフードコートに向いた業態で3店舗まで増えた。

 一方の杉玉は299円をベースとした値段設定を行っており、回らない寿司を提供している。バルサミコ酢を使った黒っぽいシャリが特徴で、寿司や刺身をつまみにちょっと飲むにはいい感じのチェーン店らしくない落ち着いた雰囲気だ。現在7店あるが、今後、5年で100店を目標にしている。

 スシロー、スシローコノミ、杉玉を織り交ぜていけば、乗客数の多い山手線や中央線の駅前では全駅の駅前に出店するのも可能かもしれない。お手並み拝見といったところだ。

photo スシローが展開する寿司居酒屋の杉玉
photo スシローが展開する寿司居酒屋の杉玉

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