コラム
» 2019年07月11日 05時30分 公開

銀行員が解説 ドラマ「集団左遷」のリアル【前編】:集団左遷は現実にあるか? 現役銀行員が語る「廃店」と「支店長」 (2/4)

[加藤隆二,マネーの達人]
マネーの達人

廃店は並大抵のことではない

 廃店は並大抵のことではなく、従ってダメ社員を集団左遷させる場所でもないということです。

 銀行にとって支店の統廃合は日常茶飯事、経営戦略に応じて新規出店と廃店を並行していくものです。

 しかしその一方、たった1つの支店でも、廃店するのは並大抵のことではありません。新しい支店を出店することは、調査から始まり慎重な検討の結果、やっとGOサインが出るといったように重要な決断です。

 そうした結果作った支店を今度はなくすわけです。考え方はいろいろあるでしょうが、銀行が出店を決めた判断が誤っていたとも取られかねないのです。

 また、廃店と一言で言いますが、決定から支店最後の日に至るその道筋にはそれこそいくつもドラマがあるといえるほど、廃店するのは並大抵のことではありません。

廃店の現実について

 なぜそこまで断言できるかというと、私自身廃店に立ち会った経験者だからです。

 自分の経験と照らし合わせると、お客さまからの不満や苦情と向き合い続ける毎日で、ドラマのように支店の中で励まし合ったり笑ったりしたことはあまり記憶にありません。

 もちろん楽しいこと、やりがいを感じた瞬間もあったと思いますが、それらが記憶に残っていないのは、やはり「支店がなくなる」というネガティブな空気に包まれていたからだと思います。

 私が経験した廃店までの時間はちょうど1年間でしたが、今までの銀行員生活とは全く異なるもので、貴重な経験と言えば聞こえが良いでしょうが、正直「もう一度やれ」と言われて選択権があるなら、きっぱりお断りさせていただきます。

 年齢的なものもありますが、やはりメンタル面であの空気感をもう一度味わうことは勘弁願いたいからです。

 その一方で、廃店のとき一緒だったメンバーとは今でも連絡を取り合っています。自己都合以外では全員銀行に残っていて、この点でも集団左遷は現実にはあり得ないと(少なくとも私の経験上では)断言できます。

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