最近、何かと話題の「後払い系」サービス。ZOZOTOWNの「ツケ払い」、最近ではメルカリ子会社のサービス「メルペイ」がスマートフォン決済で後払い機能を搭載するなど、広がりを見せている。
こうした後払いサービスは、手持ちの現金が少なかったり、クレジットカードを使っていない若年層から支持を得ているとみられる。ただ、後払いになじみが無かったり、どうしても「借金」的なビジネスに抵抗感があったりする上の世代を中心に、こうしたビジネスモデルには批判も無いわけではない。
売りたい物の写真をスマホで撮影して送ると、査定されてあらかじめお金が振り込まれるアプリ「CASH」で有名になったバンク(東京都渋谷区)が運営する「TRAVEL Now」も、そんな後払い系サービスの1つだ。旅行ツアーや体験型サービスの後払いに特化しており、アプリ上で申し込むと2カ月後に料金を支払う仕組みを取る。
後払いサービスは果たして市場に全面的に受け入れられ、日本に根付くのか。そこに盲点は無いのか。代金を読者の「言い値」に設定して話題を呼んだ書籍『実験思考』(NewsPicks Book)など、相次いで奇策を打ち出してきたバンクCEOの光本勇介氏に直撃した。
――「代金10万円までのツアーを後払いで申し込める」という仕組みで18年6月末にスタートしたTRAVEL Nowですが、現在はどういった状況ですか。
光本: ユーザー数やアプリのダウンロード数は公開していませんが、5万〜10万件ほどの旅行商品をそろえています。ユーザーの購入単価は(平均で)3万5000円くらいですね。
――手持ちのお金が無い人も、たまる前にすぐに旅行に行けるといったメリットが本サービスにはあります。ただ、古臭い考え方で恐縮ですが、「わざわざ『借金』のようなことをしてまで旅行に行く必要はあるの?」と素朴に思ってしまいます。こうした後払い系サービスは多くの分野で広がっていますが、「借金やローンに近い」という認識の薄いユーザーに使われている、という批判も聞かれます。それにはついてはどう考えますか?
光本: 正解は無く、(ユーザーの)方々の価値観次第だと思います。
今、ローンの話をされましたが、ローンは悪でしょうか? ステレオタイプな見方だと思います。消費者金融1つ取っても、日本ではイメージが悪すぎる。「若者を搾取している」とか、「黒いスーツを着ている人が取り立てに来る」とか……。
(お金を借りるという)この行為を、悪いとかいけないとか言い切るのも……。こういう(ネガティブな)面があるということも理解していますが、必ずしも、すべての人をアンハッピーにする活動ではありません。あまり知られてはいませんが、圧倒的にハッピーにしているとも思います。
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