OLTAのファクタリング ITで資金繰り改善 請求書を売ってすぐに資金化できるワケFinTechベンチャーのOLTA(1/2 ページ)

» 2019年07月19日 12時50分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 中小企業の悩みの種といえば資金繰り。成長著しい企業や、大型の受注があった企業ほど、先に支払いをする必要があるが、入金は後になるため、その間の運転資金を用意しなければならない。

 ネットを活用して、そうした中小企業の資金繰りを支援するクラウドファクタリングが成長している。クラウドファクタリングとは、ネット経由で請求書を売却してすぐに資金化できるサービスだ。2017年からサービスを始めたOLTAは、ファクタリングの申込み額がすでに100億円を超えた。

OLTAの澤岻優紀社長(左)と武田修一取締役CSO(右)。OLTAという社名は「オルタナティブなファイナンス手法を提供する」という意味で付けられたという

厳しさを増す中小企業の資金繰り

 クラウドファクタリング成長の背景には、中小企業の資金調達方法の変化がある。これまで中小企業が資金を調達するには融資が一般的だった。しかし、地方銀行では担当者が事業や業績をチェックするため、「3000万円以下の案件だと担当を付けられない」(OLTAの武田修一CSO)という事情がある。社長自身が保証人となるカードローンやノンバンクの利用も、総量規制や低金利を背景に、借り入れが厳しくなってきた。

 商品自体の代金を前受けする形の購入型クラウドファンディングなどの仕組みもあるが、「魅力的なプロダクトがあれば使えるが、多くの企業にとっては身近ではない」(武田氏)という課題がある。

 そもそもなぜ資金繰りの問題が起きるかというと、企業との取り引きでは、請求書を出した翌々月に入金されることが多いからだ。こうした商習慣が中小企業の資金繰りを苦しめている。

 こうした中、売掛金、つまり入金待ちの請求書を売却することで資金を調達するファクタリングという手法を、広く利用できるようにしたのがクラウドファクタリングだ。

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