日本たばこ産業(JT)が紙巻きたばこ「わかば」「エコー」「ゴールデンバット」の販売終了を発表し、話題を集めているが、3種のたばこが完全廃止されるわけではない。いずれもリトルシガーと呼ばれる小型の葉巻たばこにブランドを引き継ぐことで、提供を続ける考えだ。JTは後継品について「紙巻きたばこと形状や長さはほとんど同じ。味もこれまで愛用していただいたお客様の期待に添えるものを目指す」とコメントしている。
すでにゴールデンバットの後継品「ゴールデンバット・シガー」(20本入り270円)を2月から北海道限定で販売している他、9月中旬には全国で「わかば・シガー」(20本入り360円)と「エコー・シガー」(20本入り350円)を発売する計画だ。
しかし、形も味も変わらないなら、なぜ紙巻きから葉巻に切り替える必要があったのか。背景にあるのは、販売終了となる3銘柄を含む「旧3級品」の特別たばこ税率撤廃だ。
旧3級品とは、わかば、エコー、しんせい、ゴールデンバット、ウルマ、バイオレットの6銘柄のこと。JTが日本専売公社だった時代に「3級品」とされ、他の紙巻きたばこよりも低い税率が適用されていたが、2015年の税制改正で特例廃止が決定。段階的に税率を引き上げ、19年10月から通常の紙巻きたばこと同じ1000本あたり1万3244円(国税・地方税合計)となることが決まっていた。
しかし、葉巻たばこの場合はまだ抜け道がある。1本あたりの税を計算する紙巻きたばこと違い、葉巻たばこは「たばこ葉1グラム=紙巻きたばこ1本」に換算した上で課税されるからだ。中に含まれるたばこ葉が1グラムより軽ければ、その分税率を下げられる。
JTは「わかばやエコーは、長い間お客様に愛されてきた商品。お求めやすい価格での販売を継続するため、葉巻たばこへ移行した」としている。なお、同じく旧3級品の「ウルマ」については、大幅な値上げをした上で紙巻きたばこの販売を継続する考えだ。
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