開発には1年以上をかけた。伊東常務は「本当に大変だった」と振り返る。実験店で試作したときには、調理のばらつきが課題になった。「赤身肉は繊細。全店舗で安定的においしく作ることが難しかった」(伊東常務)。新たな調理器具として、小さめの圧力鍋を導入することで、どの店舗でも同じように肉を煮ることができるようにした。
肉は1.8ミリに薄くスライスしている。0.1ミリ単位で調整を繰り返し、「最も柔らかくおいしい味に仕上がる」として、この薄さに行き着いた。通常の牛丼を煮ている鍋からすくったたれでこの肉をさっと煮て、盛りつけた後に特製の「すきやきのたれ」をかける。「たれもたくさんの種類を試した。肉とたれとご飯のバランスを探るのも、大変だったことの一つ」と伊東常務は振り返る。
50万食を用意しているが、1カ月程度で売り切れる想定だという。「ロイヤルユーザーの方に召し上がってもらいたい。また、赤身肉なので脂身が少なく、女性なども食べやすいのでは」(伊東常務)
同社は創業120周年の節目として、3月に新サイズ「超特盛」「小盛」の販売を始めたり、5月には新商品「ライザップ牛サラダ」を発売したりと、記念となるメニューを相次いで投入している。「あらためて『牛肉といえば吉野家』というイメージを発信」(伊東常務)し、ブランドイメージの定着を図る。
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