にもかかわらず、強気な価格で商品を販売しているディーン&デルーカに、消費者の興味がなくなるのも当然だ。物価が高く食費にお金をかける消費者が多い、ニューヨークのような大都市ではビジネスが成り立つが、他の都市に同じビジネスモデルを展開しようとすると限界がある。
そこで、気になるのは日本で展開するディーン&デルーカへの影響だが、心配はいらないようだ。16年に共同出資者である日本企業が、タイの不動産開発会社ペース・ディベロップメントから残りの株を全て取得し、完全に独立したからだ。
日本では順調にビジネスを展開しているところを見ると、それが明暗を分けるターニングポイントだったようだ。
食のトレンドを作り、良質な食材を通じて食べる楽しみや人々の心を豊かにしてきたディーン&デルーカが、本家米国で衰退していくのは残念だ。日本でのビジネス展開に、ブランドを救うヒントがあればいいのだが。
大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。
『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。
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