1977年にマンハッタンのソーホーで最初の店舗をオープンして以来、高級食材のセレクトショップとして、ニューヨークの食文化に多大な影響を及ぼしてきた、ディーン&デルーカ。日本でも、女性を中心に絶大なる人気を誇るブランドだ。
もともと本家のディーン&デルーカは、希少価値の高い食料品を米国に輸入し、食のブームを巻き起こしてきた立役者でもある。そのひとつが、当時米国ではあまり知られていなかった、バルサミコ酢だ。
イタリアの伝統的なモデナ産バルサミコ酢は、トラディツィオナーレと呼ばれ、最低12年の熟成が必要とされ、ぶどうの種類や製法が法律によって決められている。そのため、価格がとてつもなく高額で数百ドルにもなるのだが、米国に初めてモデナ産のバルサミコ酢を輸入しブームを作ったのが、ディーン&デルーカだった。
ディーン&デルーカの目利きの良さは、瞬く間に評判となり、ニューヨーカーだけではなく旅行客も虜(とりこ)にした。そして、店内には世界中から集められたユニークな食材や地元の職人が作るこだわりの商品などで溢れ、さながら食のミュージアムのようだと称された。
そのディーン&デルーカが、海外進出先として最初に選んだのが日本だ。世界に先駆けて、2003年に海外第1号店が東京の丸の内でオープンすると、大きな話題となった。現在、日本国内ではストアやカフェなど、46店舗を展開するまでになっている。
そして、ディーン&デルーカは日本での成功を機に、アジアだけでなく中東にも進出し、グローバルブランドへと成長した。今や世界展開して好調に見えるディーン&デルーカだが、実は本拠地である米国では、目も当てられないような悲惨な状況に陥っている。
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