中国人の間で日本の「のり弁」が話題沸騰 SNS分析でその「意外な真相」を追う見た目は好きでも自作しない!?(2/3 ページ)

» 2019年09月02日 08時00分 公開
[服部良祐ITmedia]

実はのり弁=「日本のお弁当一般」?

 ここで疑問なのが、なぜ「幕の内弁当」「駅弁」などでなく「のり弁当」なのかだ。この言葉、中国語でもそのまま同じ意味の漢字で「海苔弁(便)当」と表記する。ただ、森下さんによると、中国語の「海苔弁当」という言葉は「いわば日本のお弁当の象徴のようなイメージ。海苔のあるご飯の弁当や、おにぎりなどを指して使われている」と分析する。

photo 中国人向けSNS「ウェイボー」の「日本でのり弁を食べた」投稿例

 必ずしも、日本人が想像する「白米の上に海苔をびっしり敷いたオーソドックスなのり弁」でない場合もあるといい、「日本でお弁当を食べたという口コミで『のり弁当』という言葉を書き込んでいる例もかなりあると思われる」(森下さん)。「一般的な日本の弁当」という意味合いも、どうも含んでいるようだ。

 中国本土でのり弁当(=日本のお弁当)は、森下さんによると7〜8年くらい前から話題になってきた。映画『のんちゃんのり弁』など日本コンテンツの影響に加え、現地で注目されたのが、日本では母親が子どもに作ってあげる、海苔でメッセージやキャラクターを描くような凝った見た目の弁当の画像だったという。

photo こちらは日本の家庭で作られたとみられる弁当の画像がウェイボーに転載された例

 「日本のTwitterでもこうした『キャラ弁』のような特徴的な弁当がよく話題になっており、中国人がその画像を拾って自分たちのSNSなどに転載するようになった」(森下さん)。ちなみにウェイボーで「のり弁当」と検索すると、日本の市販弁当だけでなく、日本の家庭で作られたとみられる、海苔で日本語のメッセージやキャラなどが描かれた弁当の画像も大量にヒットする。

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