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ドローンの次は最速20キロのUGV 楽天が陸・空から革命起こす 壁は「手ごわい」道交法 無人走行ロボットのサービス開始(2/2 ページ)

» 2019年09月20日 10時13分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]
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「道路交通法はかなり手ごわい」

 UGVは既に「技術的に、やろうと思えば公道を走らせることはできる」(担当者)が、最大の壁は道路交通法だ。担当者が「かなり手ごわい」と話す同法は、そもそもこういった無人ロボットが道路を走行することを想定していない。また、歩道を走行するのか、車道を走行するのか、といった議論もあり、課題は山積している。

 こうした状況の中、経済産業省は「自動走行ロボットの社会実装に向けた官民協議会(仮)」を設置。20年2月までにかけて、全4回の開催を予定している。同協議会では、安全性の確保や高齢者など「交通弱者」に対する配慮、ならびに事故時における責任所在の明確化などをテーマにする。

官民協議会の描くイメージ

 今回のデモンストレーションでは、西友リヴィンよこすか店からドローンの発車も行われた。楽天は、ドローンによる配送も既に行っている。うみかぜ公園の対岸に位置する猿島まで、UGVと同様に西友リヴィンよこすか店から商品の発送を展開(配送料500円)。19年7〜9月まで、木・金・土の週3日で実施しているが、既に70件以上の注文があり、「予約を受け付けると瞬時に埋まってしまう」というほどの人気ぶりだ。こちらもUGVと同様、人の手によらず自動運行する。担当者によれば「ドローン分野では、もともとの規制法がないので、UGVに比べると普及のハードルは低い」とのことだが、まだまだこちらでも実用化に向けた整備が進んでいないのが現状だ。

 一方、技術面では準天頂衛星システム「みちびき」を使った配送実験が進んでいる。これまでGPS等を使用していた場合、目的地との誤差が数メートルだったのに対し、みちびきの測位情報を使用した場合、数センチまで縮小したという結果が得られている。

 このように、技術の革新が進む一方で、普及がなかなか進まない現状がある。楽天が掲げる「無人ソリューションで新たな産業革命を起こす」の実現には、まだまだ時間がかかりそうだ。

 

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