金の御朱印が話題になる一方で、問題も出てきた。「参拝の証として御朱印をいただく」ことが本来の楽しみ方だが、“収集”が目的になってしまい、ネットオークションで転売されることが増えてきたという。月1回しかもらえないという“プレミア感”もあり、高額で取引されてしまう。1枚300円でもらえる御朱印が数千円で落札されたケースもあったという。足を運んで参拝するという本来の意味をさらに発信していく必要がある。
とはいえ、神社や寺が話題になり、人を集められるようになった効果は大きい。「参拝という習慣は、昔は当たり前のものでした。その意識が希薄になった今、愛好家だけでなく、幅広い人たちが来てくれることが刺激になっているようです。『腱鞘炎になるわ』などと言いながら、楽しそうに取り組んでくださっている姿が印象的ですね」と佐藤さんは話す。
今後は、金の御朱印の集客力を地域経済に波及させることを目指す。「参拝に来た金曜の夜に岐阜に泊まってもらい、翌日は観光地や(金にまつわる)パワースポットを巡ってもらう。そんな形の観光を定着させられれば」(佐藤さん)。飲食店や宿泊施設などとの連携も模索している。
御朱印の授与場所を広げて多くの人を集めるだけでなく、地域一丸となった取り組みとして、発信力を高めていく。それができれば、「金の御朱印」は観光誘客の大きな武器になっていくだろう。
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