「常連客」は何を重視する? 飲食店のリピート利用に関する調査ホットペッパーグルメ外食総研発表

» 2019年10月03日 09時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 リクルートライフスタイル(東京都千代田区)の調査機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は10月2日、飲食店のリピート利用に関する調査結果を発表した。調査は2019年2月22〜26日までの期間、首都圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)在住の20〜64歳男女4302人で、月に1回以上外食する人を対象にアンド・ディ(東京都港区)が実施。

 1週間の外食回数では、男性が4.08回、女性が3.10回と男性の方が多い傾向にあることが分かった。このうち、「リピート利用」の率は男性が79.2%。女性も74.6%と、男女ともに8割近くが一度利用したことのある店を再度訪れている。特に40〜60代の男性では平均して83%ほどがリピート利用をしているようだ。初回利用が最も多かったのは、20代女性で31.0%だった。

男性の方がリピート利用が多い傾向にある
性、年代別のリピート利用マップ

 では、飲食店をリピート利用する場合、どういった点が重視されるのだろうか。「『リピート利用』する飲食店を選ぶ際の重視点」(複数回答式)では、「料理がおいしい」が69.6%でトップ。「コストパフォーマンスがよい」(48.6%)、「席がゆったりしている」(40.4%)と続くが、料理のおいしさは突出して重視されているようだ。おいしさについては年代が上がるごとに回答率が高まっており、年を重ねて食べられる量が減るにつれて味を求める傾向にありそうだ。

重視するのはやっぱり「味」

 調査では、業態ごとに「リピート利用」と「目的型来店」の割合も分析。リピート利用率が高く、目的型来店率も高い場合にはこだわりのある「常連客」が多い業態だといえる。「喫茶店・カフェ」はリピート利用率が83.8%、目的型来店率は52.0%とともに高水準。「この店が良い」というこだわりを持つお客が多そうだ。ちなみに、目的型来店率のトップは「アジアン料理店」で70.7%だった。

 一方で、リピート利用率が高いものの、目的型来店率が低い業態には、「立ち食いのラーメン、うどん・そば業態」「牛丼、カレーなど、一品もの専売業態」が並んだ。これらの業態は、「何となくふらっと利用する」というニーズがある。

リピート利用率と目的型来店率のマップ

 消費税が10%に上がり、外食産業は苦境に立つことが予想される。味やコストパフォーマンスを武器にリピート客をいかに離さないかが、勝負の分かれ目となりそうだ。

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