ワタミといえば、グループ企業のワタミフードサービス(現在はワタミフードシステムズ)の社員が自殺した件で「過労自殺」による労災認定を受けたり、13年にブラック企業大賞を受賞したりと、「ブラック企業」としての知名度が高い。一連の騒動について「ブランドイメージに対するダメージは大きかった」と渡邉氏は話す。
しかし、状況は変わり始めている。「ホワイト企業認定」などを行っている日本次世代企業普及機構(通称「ホワイト財団」)の診断で、ワタミは87点を獲得。認定基準が60点であることを考えると、かなりの“優良企業”といえる。同社では14年から経営最重要項目として「労働環境の改善」を設定。離職率も大きく改善し、16年3月には21.6%だったのが、19年3月には8.5%。業界平均17.6%のおよそ半分にまで下がっている。
「『ブラック企業』だという批判は、反省して全て受け入れる。過去を変えることはできないが、未来を変えていく」と渡邉氏。労働組合の代表者とも話し合い、円満な関係を築けているという。ただ、改革はまだ途上だ。求人サイトのリクナビ上で同社の2020年卒向け採用ページを見てみると、月給は20万3100円。このうち、月間119時間分のみなし深夜手当として一律で3万円、さらに営業手当として1万円が含まれている。1カ月にこれだけの深夜勤務があるのか、また基本給が低いのではないか、という質問が記者から飛ぶと、「業績を見ながら社員へ還元していきたい」と歯切れは悪かった。
「テーマは命」 渡邉美樹氏がワタミ代表に復帰 “目玉政策”は被災地に開く農業テーマパーク
昭和「ワタミ型」、平成「鳥貴族型」 令和で成功する居酒屋の4条件とは?
「残業は美学」「暑い、暗い、狭い」 厚労省のブラックな職場環境が明らかに
ワタミが“ビッグデータ集客”に挑む深い理由
自治体がマンホールを販売 売り切れ続出 「インテリアやガーデニングに」 価格は3000円Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング