会社で「心の病」を患っている人は、どのくらいいるのだろうか。10〜20代のビジネスパーソンの間で、心の病を患っている人が増えていて、調査開始以来初めて3割(30.6%)を超えていることが、日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所の調べて分かった。
同調査は2002年から実施していて、今回は17年に続き9回目。心の病を患っているのは30代が最も多い(33.3%)が、減少傾向に。30代に不調者が多い背景として、同研究所は「仕事の責任は重いが、管理職にはなれないという責任と権限のアンバランスがあるためと考察してきたが、前回(17年調査)30代ばかりでなく、50代を除くすべての年齢にこのアンバランスが広がった」とコメント。
アンバランスが広がった要因のひとつに、年功制の崩壊と連動していることを指摘している。「10〜20代は一人前になるための養成期間であったが、今は即戦力である。40代は権限の持てる管理職への準備期間であったが、今は役割・権限の変化がないことも多い。そのことが影響している可能性があるのではないか」(同研究所)と指摘している。
この3年間で、心の病を患っている人は増えているのだろうか、それとも減っているのだろうか。「増加傾向」と答えたのは30.2%、「横ばい」が54.7%、「減少傾向」が10.2%。「増加傾向」と答えたのは06年の調査で61.5%とピークを迎え、その後減少していたが、今回の調査(30.2%)で増加に転じた。
インターネットを使った調査で、226社の人事担当者が回答。調査期間は7月4日から9月12日まで。
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