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» 2019年12月10日 20時05分 公開

セブンの残業代未払い問題、原因はお粗末すぎる“計算ミス”

セブン‐イレブン・ジャパンが店舗で働くアルバイトなどの残業手当の一部が未払いだったことを発表。12月10日に都内で記者会見を開き、謝罪した。

[村田朱梨,ITmedia]

 セブン‐イレブン・ジャパンは12月10日、店舗で働くアルバイトなどの残業手当の一部が未払いだったことを明らかにした。同社が把握している対象者は3万405人、金額は約4億9000万円に上る。中には、7年9カ月分として約280万円の未払いが発生しているケースもあるという。

 同社の永松文彦社長は、同日都内で開いた記者会見で「長期にわたってこのような状態が続いたことを大変申し訳なく思う」と謝罪。「内部からではなく、労働基準監督署からの指摘で判明したのもお恥ずかしい限りだ。フランチャイズ本部としての在り方が問われていると思う」とコメントした。

photo 10日に開いた記者会見の様子。左からセブン‐イレブン・ジャパンの石丸和美執行役員(フランチャイズ会計本部長)、永松文彦社長、眞野義昭人事本部長

 未払いとなっていたのは、セブン-イレブン店舗において加盟店の判断で支給される「精勤手当」と「職責手当」にかかる残業手当の一部。加盟店の従業員の給与計算は、各加盟店に代わってセブン-イレブン・ジャパンが行っているが、計算式に誤りがあり、本来支給すべき金額を下回っていたという。

 19年9月に労基署が加盟店に対して「残業手当の一部支払いが不足している」と指摘し、是正勧告を行ったことで、本部にも情報が伝わり、問題が発覚した。

photo 給与支払い代行業務の仕組み。従業員と雇用関係にあるのは加盟店だが、給与の計算や支払いは本部が代行している
photo 数値の誤りについて。本来1.25をかけて計算すべきところを、0.25をかけて計算していたという

過去のさらなる“やらかし”も発覚

 今回の問題を受けて同社が社内調査を行ったところ、残業手当の未払いは2001年以前から起きていたことが分かったという。

 セブン‐イレブン・ジャパンがアルバイトなどの時給勤務者の給与支給項目に精勤手当を追加したのは1978年。しかし、時給勤務者の残業手当を計算する式に精勤手当と職責手当の項目が含まれていないことが、2001年6月に労基署の指摘で判明した。合わせて、固定給勤務者の式にも精勤手当が含まれていないことが分かったという。

 これを受け、同社は01年10月にそれぞれの計算式を変更。固定給勤務者の残業手当は問題なく計算されるようになったが、時給勤務者の式では誤った数字を設定しており、19年9月に労基署から指摘を受けるまで、正されていなかったという。

photo 過去にさかのぼって確認したところ、新たな未払いも発覚

 セブン-イレブン・ジャパンは「計算式を変更した場合、社内で計算が走っているかの確認は行っているが、第三者機関による確認などはなかった。直近で大きな計算式の変更がなかったため、チェックするタイミングがなかった」と説明している。当時の状況や原因の詳細は、社内に記録が残っていないため、現時点では明らかになっていないという。

 未払い金については、「問題の原因は代行業務における瑕疵(かし)であり、加盟店のオーナーの責任ではない」(永松社長)として、本部負担とする考えだ。

 まずは同社が氏名などを把握している対象者(12年3月〜19年11月)に順次支払いを行う予定。氏名などを把握していなかったり、すでに退職していたりするケースでは、専用のホットラインで問い合わせを受け付ける。「過去の未払いについても責任をもって支給したいと考えている。支払い明細など店舗で働いていたことが確認できるものを提示していただき、その上で支給できれば」(永松社長)

 今後は再発防止に向け、労働関係法令に関する社内研修の強化や、内部のチェック体制の強化、第三者機関による定期的なチェックの実施、残業手当の対象項目の明確化を目的とした給与明細の見直しなどに取り組むという。

 なお、12月10日に都内で開かれた記者会見では、セブンペイの不正利用など19年に相次いだ問題を踏まえて、同社のガバナンス体制の甘さや永松社長の経営責任への指摘も相次いだ。これに対し永松社長は、「執念深く原因を追求し、再びこうした問題が起きないようにするのが私の役目だと思う」「今起きている問題を真摯に受け止めて改革するという決意をもってやっていくのが一番重要だと考えている」として、辞任には否定的な姿勢を見せている。

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