ケンタッキー全国一食べる沖縄県民、でも鶏肉消費量は44位のワケ(2/4 ページ)

» 2019年12月24日 13時13分 公開
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ケンタッキーの登場でフライドチキン人気に

 沖縄で「肉」を目的とした養鶏が盛んになり始めたのは、1968年、沖縄に食鶏の加工会社ができてから。その後、飼育場や加工場などが建設され、1972年の復帰の年、ケンタッキーフライドチキンが沖縄に進出。沖縄産の鶏肉を使ったフライドチキンは沖縄県民に広がっていく。

 ケンタッキーによると、2019年11月現在、一人当たりのオリジナルチキンの消費量は全国一。記者が各都道府県の店舗数と人口から10万人当たりの店舗数をはじき出したところ、沖縄は1.45店でこちらも全国一だった。

 広報担当者は「日本に上陸したのは1970年。本土には揚げたチキンを手で食べる文化はなく、浸透するのに時間がかかったものの、沖縄では米国の食文化がなじんでいたことが要因だと思います」

1976年12月20日のケンタッキーフライドチキンの新聞広告

 そして、加工業者の鶏肉の生産方法もガラッと変わった。「ケンタッキーさんの規格、1羽1.8キロに合わせて鶏を育てるようになった。ピークの時は年間で90トンほど卸していた」と赤嶺理事長は振り返る。

 「1975年にダイエー(現・イオングループ)が沖縄に進出すると骨なしのオーダーが来た。あの頃から、家庭の鶏肉は骨なしが流通していった。量販店のほとんどが今も1羽3キロの鶏を使っている」

2005年当時のダイエー那覇店(現・ジュンク堂那覇店)

 ちなみに、1990年、琉球大学の学生221人(県内121人、県外90人)にファストフードのフライドチキンを初めて食べた時期について、調査をした論文がある。「小学生以前」か「小学生頃」と回答したのは県内の学生の88%だったのに対し、県外学生は48.9%。沖縄県民のフライドチキンになじむ時期が県外よりも早いことが伺える。

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