もっとも、広範な分野への応用への期待が広がれば広がるほど、AnyMotionの機能面に対する新たな要望も増えてくる。
例えば、ヨガ教室やダンス教室などで「複数人の動きを同時に可視化・分析できるようにしてほしい」というものや、リハビリテーションなどの分野で「検知できるポイント(現在は最大18点)をもっと増やしてほしい」というもの、ピッチングフォームなどを正面からとらえた際の「前後の動きも可視化・分析できるように3Dの撮影にも対応してほしい」、お手本と自分の動きの差異を「リアルタイムで確認できるようにしてほしい」といったものだ。
ただ、これらはいずれも「簡便さ」を重視するのか、それとも「高機能」を求めるのかトレードオフの問題となる。「どれも技術的に実現できないわけではありませんが、端末側の性能に大きく依存してしまいます。私たちがこだわっているのはそこではなく、“スマートフォンのような身近な端末とクラウドさえあれば利用できるサービス”です。その世界の中で『どんなことを、どこまでできるか』を追求していきます」と組橋氏は強調する。
目の前に多くの制約が立ちはだかるのも事実だが、より広範な社会実装を目指す上で必ず乗り越えなくてはならない前提条件でもある。今後、さまざまなパートナーとの実証実験が本格化していくにつれ、実用サービスをターゲットとしたAnyMotionの展望が開けていくのかもしれない。
なお、紹介したアプリは利用の一例としてβ版で提供していたもので、AnyMotionは今後、ヘルスケアなどのさまざまな用途向けに、APIで姿勢分析のためのデータを提供するビジネスを展開する予定だ。
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