鉄道業界に「バーチャル背景」ブーム 外出自粛で薄れる存在感、“つながる”一手に杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/6 ページ)

» 2020年05月15日 07時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

成田スカイアクセス線の最新車両、京成電鉄

 京成電鉄は、成田スカイアクセス線をテーマとした4枚。「スカイライナーAE形運転席」が鉄道ファンの心をくすぐる。リアリティーを重視するなら「3100形の車内」がオススメ。3100形は最新型の通勤車両で、広い車椅子スペースと、ロングシートの中央の座面を上げてスーツケース置き場にできるという斬新なインテリアが特徴。その車内にいる気分になれる。

「みさきまぐろきっぷ」の背景も、京急電鉄

 京急電鉄は、オフィシャルマスコット「けいきゅん」のSNSアカウントで公開。京急電鉄に限らず、バーチャル背景やキッズ向けコンテンツについて、公式サイトではなく公式SNSで配布する企業も多い。公式サイトでは運行情報や企業情報など、沿線の人々にとって便利で役立つ情報を載せて、お楽しみコンテンツはファンサービスとしてSNSに載せる。切り分けが明確になるとともに、SNSサイトの参加を募るという意味があるようだ。

 バーチャル背景は「例の壁」「例の壁+けいきゅん」「電車の並び」「みさきまぐろきっぷ」の4枚。「みさきまぐろきっぷ」を背景にすると首筋がひんやりしそうだ。小田急の箱根そばは室内だけだったから、鉄道会社の飯テロ系背景は今のところこれだけ。

吊り手をつかんでいる気分? 京阪電鉄

 今のところ、関西大手私鉄では唯一のバーチャル背景提供会社が京阪電鉄だ。電車の写真はデスクトップ用壁紙として配布しており、こちらも流用可能。バーチャル背景としては「京阪電車京橋駅の看板」と「13000系の吊り手のアップ」の2枚。京橋駅は買い物に出掛けた気分、13000系車内はちょうど立っている目線で、立ったまま会議に参加している雰囲気になるだろうか。リアリティーよりデザイン的な面白さを狙っているようだ。

京阪電鉄のバーチャル背景(出典:京阪電鉄

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