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» 2020年05月15日 07時00分 公開

杉山淳一の「週刊鉄道経済」:鉄道業界に「バーチャル背景」ブーム 外出自粛で薄れる存在感、“つながる”一手に (1/6)

テレワークの普及で広まったオンライン会議ツール。鉄道各社が相次いで「バーチャル背景」を配布している。外出自粛によって鉄道の存在感が薄れる中、ビジネスパーソン向けコンテンツを発信することで、親しみを持ってもらう狙いがあるようだ。

[杉山淳一,ITmedia]

 オンライン会議ツールで使える「バーチャル背景」を無償配布する鉄道事業者が急増している。いったい何が起きたのか。

 外出自粛、接触回避、在宅勤務導入拡大を背景に、オンライン会議が急速に普及した。在宅勤務でオンライン会議となれば、背景に映る生活空間が悩みのタネ。片付いてなければみっともないし、だらしない性格だと思われそう。深刻なテーマの会議でオモチャやアイドルグラビアのポスターが映り込んでもマズい。

 そんな事情を察して、バーチャル会議ツールには「背景を設定する」という機能がある。テレビドラマのように、人物と風景を合成して、まるでロケ撮影をしたように見せる特殊効果だ。これで生活感を消し、会議に集中できる。会社の会議を疑似体験するなら、自分の会社の背後の写真を使えばリアルだと思うけれども、そこはちょっとした遊び心の余地がある。バーチャル会議ツールを利用した「オンライン飲み会」という遊びも普及しており、序盤は壁紙やエフェクトを変更して遊ぶ流れがお約束である。

西武鉄道が配布しているバーチャル背景画像。駅にいる臨場感が味わえる(提供:西武鉄道)

 鉄道会社は、大型連休前に「おうちで楽しむ鉄道コンテンツ」として、塗り絵やペーパークラフトの配布ブームがあった。外へ遊びに出掛けられない。電車に乗りたいけど乗れないという電車好きなお子様向けサービスだ。マクドナルドのハッピーセットは「ハンバーガーを味覚の原体験として末永く親しんでもらう」という意味があるという話も聞く。鉄道会社の子ども向けコンテンツも「子どもの頃から電車好きになってもらえれば、末永く電車や沿線のファンになってもらえる」という意味になるだろう。

 その次の施策として、ビジネスパーソン向けのアプローチが「バーチャル背景」かもしれない。そこで今回は、鉄道各社のバーチャル背景を紹介しつつ、その意図を考察する。……と、ここまで堅苦しく始めたけれど、まずは鉄道事業者のバーチャル背景カタログとしてお楽しみいただきたい。

殺風景な自宅の背景(左)も、バーチャル背景を使えば楽しくなる(西武鉄道の背景より)
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