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» 2020年05月18日 08時00分 公開

近くて遠い国、韓国:日本の中高年はなぜ若者の韓流ブームを全く理解できないのか (1/4)

中高年に分かりづらい今の若者の韓流ブーム。世代間の認識のズレはどこから生まれるのか。一線の朝鮮半島の研究者とジャーナリストが対談。

[服部良祐,ITmedia]

 ネット上で話題になりやすい国、韓国。歴史・政治の議論に加え、最近は新型コロナウイルス対応でも何かと比較され、“炎上”もしやすい。中でも世代間で評価がくっきり分かれるのが「韓流ブーム」だ。

 「ヨン様(ペ・ヨンジュン)」が流行った第1次韓流ブームも今は昔。BTSなどのK-POPや韓流コスメを楽しむ若年層の感覚に、ピンとこない中高年の人も少なくないのでは。どうして今の韓国コンテンツは日本の若年層に受け、そして上の世代では受けづらいのか。

 そこで、韓流ブームに関する日本の「世代間の断絶」について、朝鮮半島研究の第一人者である政治学者、木村幹・神戸大学教授と、毎日新聞社で韓国の取材を長年手掛け、『反日韓国という幻想 誤解だらけの日韓関係』(毎日新聞出版)を執筆した澤田克己・毎日新聞論説委員に対談してもらった。前後編で迫る。

photo 日本の若者も熱狂する韓国のアイドルグループ、BTS(防弾少年団、ロイター提供)

韓国側が「狙った」訳でもない韓流

――一口に韓流と言っても複雑です。澤田さんの『反日韓国という幻想』(毎日新聞出版社)によると、第1次韓流ブームの端緒は2003年の『冬のソナタ』で、ドラマ・俳優が中高年に人気になりました。第2次は10年ごろ、少女時代などのK-POP人気。しかしこれも衰え、今の第3次韓流ブームはSNSを起爆剤とした商品やアイドルに若年層が飛びついています。特に今のブームは、記憶が“ヨン様止まり”な上の世代からすると分かりづらいですね。こうした世代の断絶をどう見ますか。

澤田: 第3次韓流ブームで流行っている物は、基本的にK-POPやコスメです。基本は若い人向けで、もともとおじさん・おばさん向けの商品ではない。しかも、日本のエンタメ産業はもう(若年層の)人口が少ないので、10代を相手にはしていません。そこに韓流がターゲッティングしているのだから、(受けるのは)当たり前だと思います。

木村: とは言いつつも、第1次韓流ブームの時も、女性たちが韓国に行って大量にコスメを買うような動きもありましたよね。

 もっと言えば、韓国も少子高齢化なわけです。(現地で)中高生のような若い女性を狙った物に、(韓国の若い)彼女たちが別に食いついている、という図式は単純に過ぎるかもしれない。例えば、BTSが韓国で若い人だけをターゲットにしているかどうかは怪しいと思います。

 これらの韓流コンテンツが今の(日本の)中高生に受けているというのは、韓国側が特に狙ったというより、日本側の要因も大きいのではと思いますね。

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