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» 2020年05月18日 08時00分 公開

近くて遠い国、韓国:日本の中高年はなぜ若者の韓流ブームを全く理解できないのか (4/4)

[服部良祐,ITmedia]
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韓流ブームは一種の「日本のグローバル化」

――テレビに代表されるオールドメディアが日本では中途半端に生き残ったからこそ、若者向けコンテンツを作ろうとしないと。

木村: 一方、韓国では新聞社など古いメディアの衰退がもともと激しかった。アイドルが典型的ですが、(ある意味で)著作権を完全に“放棄”してますよね。ファンが楽曲を買うとしてもダウンロードです。CDを売るビジネスは事実上止めていて、ネットで(曲が)垂れ流されていてもいいから、ドームコンサートなどでドーンともうける。

――逆に日本では、CDの「握手券商法」に代表される旧来のビジネスがまだ生き残っています。ジャニーズなど、本来当たり前なのですが画像や楽曲の著作権管理に厳格です。

澤田: 韓国(企業)の人に聞きましたが、「日本の地上波ドラマは、ジャニーズだと人気出るからドラマに起用しますよね。でもその時点で、海外での販売はアウト。そういう商売とうちらは違いますから」とのことでした。

木村: 韓国では著作権が軽視されているという問題点はありますが、あくまでその上に立ったビジネスな訳です。そして、日本の中高生にとってもスマートフォンがあれば韓流コンテンツは楽しめてしまう。でも、ジャニーズの方は「買わなくて」はいけない。お金がかかるので、(こうした日本コンテンツを)年上の人しか楽しまなくなる、となっていくのではないでしょうか。

――日本の若年層マーケットに韓国コンテンツが入り込み、日本勢がうまく刺されていないのはビジネス上の課題ではあります。ただ、若者カルチャーが国境を越えて共有されているのは、もっと日本の上の世代も注目しても良いと感じます。

澤田: 文化の共有とはなかなか難しいものです。果たして既存の文化、例えば政治文化のような「物の考え方」が(日韓で)同世代同士で同じかというと、かなり違います。ただ、韓流といったコンテンツでは(国の差より)世代差の方が大きいのでしょうね。

木村: ただ、日本の10代が見ている韓国と、韓国の10代が見ている韓国がだいぶ違う点はあると思います。第1次韓流ブームで、ペ・ヨンジュンがあたかも韓国を代表するスターだと日本人がみんな勘違いしたのと同じで。今も日本(コンテンツ)勢は韓国に入りようがなく、向こうの人は関心を持たない、という構図ですね。

 ただ、韓国アイドルが日本に入ってきていることは、「日本のグローバル化」と言えるのかもしれない。一方で言えるのは、(日本の若年層は)「韓国の物だから見たい」と思っているわけではない、ということです。そんなことは全然ない。

――韓国を見つめ続けてきた往年の世代とは、興味の持ち方が根本的に違うということですね。後編では、逆に日本の中高年世代における韓国のイメージが「なぜか昔で止まっている」問題について聞きます。

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