コラム
» 2020年06月18日 08時02分 公開

「仲間意識」を追求:ロックダウン下のアメリカで、「ニッチSNS」が静かなブーム (1/2)

ロックダウン下のアメリカで、ちょっとした異変が起きている。よりディープで親密な体験を提供するニッチSNSに注目が集まっているのだ。

[石塚しのぶ,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:

 南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「アメリカで『小さいのに偉大だ!』といわれる企業の、シンプルで強い戦略」(2016年4月、PHP研究所)、「未来企業は共に夢を見る〜コア・バリュー経営〜」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。


 コロナウイルス感染拡大防止のロックダウン下で、特定の趣味・関心や地域にフォーカスを置く「ニッチSNS」が人気を集め、Facebookからオーディエンスを奪っている。

 例えば「レート・ユア・ミュージック(Rate Your Music)」は、音楽好きのためのオンラインコミュニティだ。「自分と共通の関心を持つ人だけが集う場所、ということで安心感がある」とあるユーザーはコメントする。

 ニッチSNSを好み、Facebookをやめる人が増えている。Facebookのネットワークはあまりにも広すぎ、一般的すぎる。Facebookへの投稿は、万人受けする「公の顔」だ。そんなのはつまらない、と批判する声が以前にも増して聞かれるようになってきた。

 「ネクストドア(Nextdoor)」は、地域に根差したSNSだが、ロックダウンに際して「コミュニティ」の重要性があらためて見直される中で利用者を増やしている。買い物に行けない高齢者と近所の人がつながったりといった活動が生まれている。いわば「助け合いアプリ」であり、「現代版回覧板」である。

 2019年末の時点で市場に出回っていた「ソーシャルアプリ」の数はモバイル対応のものだけで7万を超え、これは前年同期の1.5倍にのぼった。「ソーシャルネットワーク」のカテゴリーに当てはまらない、ソーシャルゲームアプリやソーシャルメッセージングアプリを含めるとその数はさらに膨大なものとなる。

 昨年一年間で、アメリカの成人はソーシャルネットワーキングおよびメッセージングアプリの利用に合計57時間を費やした。これは前年に比べて10%の増加であるという。ただ、その中でもFacebookの利用は減少している。ロックダウン以降、その利用は再び上向きになったが、パンデミックが収束する頃には再び下降傾向になることが予測されている。

 近年、Facebookは、家族や友人からの投稿がニュースフィード上に優先的に表示されるようアルゴリズムを変更したり、「グループ」機能に注力したりしてユーザー離れを防ぐ努力を払ってきた。しかし近年、そのプラットフォーム上にフェイク・ニュースや政治的なプロパガンダ広告が氾濫する中、厳しい戦いを迫られている。

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