緊急事態宣言の39県での解除が表明されたのは5月14日で、全国で解除されたのも同月25日に当たる。そうした国・行政側の思惑よりも少し早めのGWというタイミングで、少なくともTwitter上の世論では「自粛」への関心が急激に薄らいだと言えそうだ。
一方、ネット上の「コロナ報道」の量を見ると、実はさほどの減少を見せていないことも判明した。「4月22日〜28日」分でピークに達し、日によっては恐らく別テーマのニュースが浮上した背景から「コロナ報道」が急減している期間もあった。ただ、グラフからは基本的にメディアのコロナ報道が一定の量を保っていた傾向が読み取れる。
こうしたTwitterユーザーの「自粛世論」の変化をどう分析するか。主に災害などに関するSNS分析や世論調査を専門にしているJX通信社(東京都千代田区)の米重克洋社長は「うちの会社のアプリで分析しても、実際にGWごろからコロナ関係のネット記事の読まれる頻度が減っていると感じていた。読者は“食傷気味”なのでは、と思う」とみる。
「(自粛への関心が)なぜ減ったかというと、まずは『オーバーシュート』(感染者の爆発的拡大)が日本では結局起きなかった点があると思う。4月前半には『東京もニューヨークのような状況になる』と言われていたがならず、『コロナ危機は抜けたのでは』と感じた人は多いのではないか」(米重社長)。
別の原因として米重社長が指摘するのは、メディアによる「政府が緊急事態宣言の解除を検討している」といった“先行報道”の影響だ。「GW前後くらいになると、『14日の解除を検討している』といったニュースも既に出ていた。リスクコミュニケーションとして考えた場合、『宣言の通りに自粛継続を』という内容とは逆のメッセージがこうした報道で(結果的に)流れたことになる。『もう大丈夫だ』と思ってしまった人はいたと思う」。
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