攻める総務

コロナ禍で見直し進む株主総会 「密」だけじゃない課題とその解決策とは?開催の手前にそびえたつカベ(3/4 ページ)

» 2020年07月09日 05時00分 公開
[柳谷智宣ITmedia]

実際の利用イメージ

 早速、株主総会クラウドで株主総会の委任状を集めてみよう。メールアドレスでアカウントを作成したあと、招集通知のPDFをアップロードする。続いて、送信する株主を選択し、株主総会を開催する時間と場所、決議事項の数を入力。後は、メッセージを入力して送信するだけ。繰り返しになるが、画面にも注意書きが表示されるように、前提条件としてあらかじめ株主と同意が取れている必要がある。クラウドサービスだからといって、招集通知をいきなり送りつけるのは避けた方がよいだろう。

株主総会クラウドの利用イメージ

 メールを受け取った株主は、「株主総会招集通知に回答する」というボタンをクリックすると、ログインなしで回答ページが表示される。回答ページでは、委任するか出席するかを選択し、委任する場合は議案ごとに賛否を選択する。内容を確認する場合は、招集通知のPDFがメールに添付されているので、必要に応じてダウンロードすればいい。

株主側の利用イメージ

 サインをする項目もあるが、その場所をクリックして、キーボードで名前を入力し「サイン」をクリックするだけ。本質的には不要な処理ではあるのだが、「契約」という形を取るために必須のステップとなっているという。後は、「回答する」をクリックすれば、委任状がPDFファイルになってダウンロードできるようになる。

 メールが来てから、送り返すまでの作業は1分もかからない。紙であればいろいろな作業が発生するのと比べると、はるかに効率的になるだろう。

 株主からの返信は「株主総会クラウド」の画面で一覧できる。やりとりしたファイルも保存され、関係書類をアップロードしたり、内部メモを残したりすることも可能だ。開催した株主総会に関する情報を一元的にまとめて管理できる。

株主総会に関する情報を一元管理できる

 「株主の方も投資先が10社を超えてくると、どの投資先から何の議案がきたか管理しきれなくなります。正式版のリリースタイミングで、株主もアカウントを登録できるようにします。そうすれば、全ての回答履歴をいつでも閲覧できるようになります」(神先氏)

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