高輪ゲートウェイ駅に全国の銘酒と高級レストランが集結 中田英寿とJ-WAVEが仕掛ける「NIHONMONO LOUNGE」中田英寿が挑む日本酒ビジネス【前編】(1/2 ページ)

» 2020年07月28日 05時15分 公開
[田中圭太郎ITmedia]
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 JR山手線の新駅・高輪ゲートウェイ駅前に7月14日、元サッカー日本代表の中田英寿氏と、FMラジオ放送局のJ-WAVEがコラボした期間限定のレストラン「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」がオープンした。ディレクターを務める中田氏が厳選した全国159蔵の銘酒と、国内で人気の高級レストランの料理が週替わりで登場する。

phot 中田英寿さんとJ-WAVEがコラボした「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」がオープン(2020 Miss SAKE 準グランプリの福田友理子さん(左)と、2019 Miss SAKEの春田早重さん。以下、クレジットのない写真の撮影は山本宏樹)

 「NIHONMONO」とは、中田氏が日本各地を旅して見つけた、世界に誇る“本物”とその作り手である“本者”のこと。日本酒、食、工芸品など、日本の魅力を発信するブランドだ。会場にはショップ「NIHONMONO TOKYO」も開設。中田氏がパーソナリティーを務めるJ-WAVEの番組「VOICES FROM NIHONMONO」で情報発信するほか、会場ではラジオ番組の公開生放送や、国内外の短編映画も上映される。

 レストランは9月6日までの期間限定。当初は駅が開業した3月から始まる予定だったものの、新型コロナウィルスの影響でオープン日は約4カ月ずれこんだ。「NIHONMONO」の生産者たちもまた、新型コロナによって売上減などの影響を受けている。オープン前日、会場を訪れた中田氏に、この時期だからこそ日本の魅力と文化を発信する意義を聞いた。

phot 中田英寿さんが全国を巡る旅の中で出会った工芸品など日本の魅力を集めたショップ「NIHONMONO TOKYO」

厳選した日本酒と名店の味

 JR高輪ゲートウェイ駅前に広がる広場「Takanawa Gateway Fest」の一角に現れた「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」。中に入ると、高さが7メートルある「SAKE TOWAR」がまず目を引く。円形の棚に日本酒が並べられ、棚の直径は天井に向かうほど大きくなっていた。このタワーを囲むカウンターで、全国各地の銘酒が振る舞われる。

phot 会場に屹立する高さ7メートルの「SAKE TOWAR」

 日本酒とともに味わえるのが、全国各地で高い人気を誇るレストランのスペシャルメニューだ。「ミシュランガイド2017」で2つ星を獲得した東京・西麻布のフランス料理店「L’Effervescence」をはじめ、スペイン、イタリア、中華、日本料理など、高級レストラン16店が提供する一皿を、週替わりで楽しむことができる。

 日本酒は全て、中田英寿氏が専門家とともに味見をして厳選した銘柄だ。159蔵の日本酒を取りそろえ、週替わりで毎週約20蔵の日本酒を提供する。期間中、毎週訪れても、常に違う日本酒と料理を客が楽しめるようになっているのだ。

 またサッポロビールが、数種類のビールを楽しめる「ヱビスプレミアムカウンター」を出店していた。ヱビスビールは山手線・恵比寿駅の名称の由来になったビールであり、同じ山手線の新駅である高輪ゲートウェイ駅の開業を祝い、出店が決まった。出店の狙いについてサッポロビールの広報担当者は「本イベントを通し、ヱビスならではの多様な味わいを楽しんでいただきたい。また新しいことにチャレンジし続けている当社の姿勢を感じていただきながら、新しい街の誕生を共に盛り上げたい」と答えている。

phot 「ヱビスビール」に加え「ヱビス プレミアムエール」ほか数種のヱビスブランド商品を期間ごとに替えて提供する「ヱビス プレミアムカウンター」
phot ビール抽出の技術を持ち、ヱビスに関する知識のあるスタッフが一つ一つ丁寧に提供していた

駅開業後「Takanawa Gateway Fest」初のイベント

 「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」はJ-WAVEの主催、サニーサイドアップの共催で、本来は高輪ゲートウェイ駅が開業した3月にオープンする予定だった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となり、国や東京都の感染症対策を踏まえながら必要な措置を講じて、ようやくオープンにこぎつけた。

 このイベントは、JR東日本が駅前広場で開催する「Takanawa Gateway Fest」の一環でもある。当初は、東京2020ライブサイトや東京2020ビーチバレーボール日本代表チーム決定戦の会場になる予定だった。

phot JR山手線の新駅・高輪ゲートウェイ駅前

 6月までに予定していたイベントの多くは中止になったものの、「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」のほか、アートイベントやパーソナルモビリティの試乗体験、顔認証技術を利用した体験プログラムなどが9月6日までの期間限定で開催される。

 この広場は、イベントが終了する9月以降には撤去され、新たなまちづくりの建設工事に入る。JR東日本によると、2024年度には田町駅方面から高輪ゲートウェイ駅前にかけて、4つの街区が新たに生まれる予定だという。さらに将来的には品川駅方面に向けても街が広がる。JR東日本総合企画本部の萩原彰一次長は開発のビジョンを次のように説明する。 

 「4年後にできる街は、世界中から先進的な企業や人々が集い、さまざまな交流から新たなビジネスや文化が生まれる街を目指しています。今回のTakanawa Gateway Festは、このまちづくりに向け、多くの方々に関心をもっていただくことを目的としております。また、新型コロナウイルス感染症防止対策もしっかりと実施しております。ご家族連れの方にも楽しんでいただけるイベントも予定しておりますので、この機会にいろいろな方に来ていただきたいと思っています」

phot 高輪ゲートウェイ駅開発のビジョンを説明するJR東日本総合企画本部の萩原彰一次長
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