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» 2020年08月20日 07時00分 公開

まだまだ世界で人気? いまだに「FAX」を使い続けるワケ世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

[山田敏弘,ITmedia]
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デジタルと組み合わせたサービスも

 『ファクス:ファクス機器の盛衰』の著作がある米テキサスA&M大学のジョナサン・クーパースミス歴史学教授は、いまだにファクスが使われている理由を「利用者たちは変化に抵抗する。小規模な企業なら書類を交換するのに新しいテクノロジーを試してみようと思ったり、それにお金をかけたりする理由はない。ファクスを好む全ての企業は、注文などでやりとりが混乱しないように全ての顧客や納入業者にファクスを使うよう求めることになる」と、メディアに語っている。そうしてファクスは生き残る、と。

 ここまでファクスの現状を見てきたが、少し前からは、デジタル文書をファクスで送信するというハイブリッドな通信も普及し始めている。つまりファイル自体はPDFなどのデジタル文書だが、それをファクスとして送信できるというものだ。今、クラウド型のファクス送信サービスなどを提供している企業もある。このサービスでは、紙とデジタルのどちらにも対応できる。半分ファクスで、半分デジタル、という感じだ。

 つまり現在はファクスから電子メールに移りゆく、ちょうど過渡期にあると考えられる。ただファクスの状況を見ていくと、おそらく世代交代とともに消えていく運命にある。だがまだしばらく、なくなることはなさそうだ。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 元MITフェロー、ジャーナリスト、ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。テレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


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