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日産、「エルグランド」をマイナーチェンジ デザインを一新、存在感あるフロントグリルに安全性・快適性向上へ

» 2020年10月12日 15時43分 公開
[ITmedia]

 日産自動車は10月12日、高級ミニバン「エルグランド」をマイナーチェンジして発売したと発表した。フロントグリルを中心にデザインを一新し、室内装備や安全技術も拡充した。

マイナーチェンジした日産「エルグランド」

 エルグランドは1997年5月に初代モデルを発売。プレミアムミニバン市場の礎を築いた。現行モデルは2010年から販売しており、14年にマイナーチェンジを実施していた。

 今回のマイナーチェンジではデザインを一新。先進安全技術も拡充させた。また、特別仕様車の「アーバンクロム」シリーズも新たに設定した。

 外観のデザインでは、繊細な作り込みで力強さに磨きをかけたというフロントグリルを採用。漆黒の「ブラッククローム」と、高級感のある「サテンクローム」を用意した。インテリアは、インストルメントパネルからドアトリムにかけて水平基調のデザインに仕上げ、中央には10インチの大型ディスプレイを配置。先進的なコックピットに合わせて、シートも連続したキルティングパターンに変更した。

日産「エルグランド」。新しいフロントグリルを採用

 広い室内空間には、後席に角度調節可能なアームレストや折り畳み式シートサイドテーブル、大型のオットマンなどを装備。リビングのような快適な空間をつくっている。

 先進安全技術では、前方を走行する2台前の車両を検知する「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を標準装備。先行車の急な減速などによって、自車の回避操作が必要と判断した場合に、警報によって注意を促す。また、隣接レーンの後側方を走行する車両が接近した際に、接触を回避するためのステアリング操作を支援する「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」なども標準装備となっている。標識検知機能には、進入禁止標識に加え、最高車速標識と一時停止標識の検知機能も追加した。

 希望小売価格(税込)は369万4900円〜556万500円。

 エルグランドのマイナーチェンジに合わせて、カスタムカー「AUTECH(オーテック)」を新たに設定したほか、エルグランドの福祉車両やエグゼクティブ向け特別仕様車もマイナーチェンジしている。

「エルグランド AUTECH」も設定
「エルグランド AUTECH」のインテリア

 エルグランドの久しぶりの改良によって、プレミアムミニバン需要獲得の巻き返しを狙う。高級ミニバン市場では現在、トヨタ自動車の「アルファード」が絶好調。日本自動車販売協会連合会によると、9月のアルファードの販売台数は、前年同月の1.6倍となる1万台超。4〜9月の半年間でも、前年同期を3割上回っている。

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