インタビュー
» 2020年10月21日 05時00分 公開

GAFAを敵と見るか、パートナーと見るか:シャープが家電メーカーからソリューションカンパニーへ  「家電のビッグデータ活用」を事業部長に聞く (1/3)

シャープの調理家電を統括する奥田哲也事業部長に、成長著しい調理家電市場のデータ活用方法についてインタビューした。

[中西享,ITmedia]

 ヒットを続けている水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」の開発者インタビューは関連記事(販売台数は前年比3倍! シャープの水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」開発者に聞く――共働き家庭の必需品に)でお伝えした。

 続いて、シャープの調理家電を統括する奥田哲也・Smart Appliances & Solutions事業本部 国内スモールアプライアンス事業部長に、成長著しい調理家電市場のデータ活用方法についてインタビューした。

phot 奥田哲也(おくだ・てつや)1998年シャープ株式会社に入社。以来、掃除機や洗濯機、調理機器などの白物家電の商品企画を担当。2019年に国内スモールアプライアンス事業部長に就任し、現在、「ヘルシオ」「ホットクック」をはじめとする調理家電や掃除機、美容機器、電子辞書や電卓等のパーソナル機器などの事業を担う。大阪府 高石市出身(シャープ撮影)

ホットクックの販売台数は前年比3倍

――ホットクックのコンセプトは何か。

 ヘルシオシリーズは、健康調理を実現する2004年の「ウォーターオーブン ヘルシオ」から始まり、12年にオーブンレンジ以外の調理家電の開発を始めた。ホットクックのコンセプトは、ほったらかしで簡単に健康とおいしい料理を両立させることだった。手間のかかる和食や煮込み調理などをホットクックにやってもらうことで、忙しい家事にゆとりの時間を作り出してもらおうという狙いだった。

 それがコロナ禍で巣ごもり需要が出て、自粛期間、在宅勤務が増えて自宅で料理をする機会が増えた結果、調理をすることに対して今まで以上に目が向けられることになった。

phot 新型コロナの影響で家で調理する回数が増加。家事省力化にニーズが生まれた(シャープの資料より)

――このところホットクックの販売が好調な理由は。

 コロナ禍で外食が減り、自宅で食事をつくることが多くなり、つきっきりで面倒な火加減の調整などをする必要のない「ほったらかし調理」ができるホットクックがうまくはまった。今年の4〜6月の販売台数は前年比で3倍も急増した。ファンになった購入者のSNSやYouTubeなどが評判を呼んで広がっている。調理機器は食べた人が実感を伝えるので、機器の良さが直接的に伝わった。

 ホットクックは15年から地道に開発を続けてきている。シャープが厳しいときも開発を継続してきたのが、やっと日の目を見ることができた。

phot 「ヘルシオ ホットクック」のWebサイト

――ホットクックの価格が他社製品と比べて高いといわれているが。

 価格が高いという声があるのは承知しており、企業としてコストダウンの取り組みは必要だと考えている。しかし、実際に商品を購入した顧客の満足度は高く、価格に見合うだけの機能と価値を提供できていると考えている。われわれに必要なことは、やみくもに価格を下げることではなく、どうしてこの価格になっているのかという価値を十分に説明することだと考えている。

phot 水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」
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