上場企業の不適切会計、2020年は58社 高水準続く(1/2 ページ)

» 2021年01月28日 11時38分 公開
[ITmedia]

 東京商工リサーチは、2020年に「不適切な会計・経理(以下、不適切会計)」を開示した上場企業は58社、総計60件だったと発表した。

 同社が集計を開始した2008年以降、19年は過去最多となる70社、73件だった。20年は前年に比べると、それぞれ17.1%減、17.8%減と下回ったものの、高水準の開示が続いている。

phot 「不適切会計」開示数の推移(以下リリースより)

 20年に不適切会計を開示した58社のうち、「架空売上の計上」や「水増し発注」などの「粉飾」と、経理や会計処理ミスなどの「誤り」がそれぞれ24件で、構成比40%を占めた。ついで、子会社・関係会社の役員、従業員の着服横領が12件と続いた。

phot 不適切会計の内容別の結果

 産業別に見ると、最多は製造業で23社。国内外の子会社、関連会社による製造や販売管理の体制不備に起因するものが多かった。続く卸売業の10社は、連結キャッシュ・フローの記載に誤りがあるなど、会計処理ミスの「誤り」が目立った。

phot 不適切会計企業の産業別の結果

 発生当事者別では、「子会社・関係会社」が23社で最も多かった。続く「会社」(22社)も合わせると45社におよび、全体の77.6%を占める結果となった。

phot 不適切会計企業の発生当事者別の結果
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