増え続けるSaaSをどう管理するか? メタップスが管理サービスを提供する狙い(1/3 ページ)

» 2021年02月26日 05時30分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 ZoomやOfficeなどのビジネスツールから、Salesforceやマネーフォワードなどの業務ツールまで、企業のSaaS導入が本格化している。その数は1社平均で10種類ともいわれ、IT業界では100種類を使っている企業もザラにある。

 一方で、複数のSaaSが急速に導入されたため、課題も表面化してきた。会社全体で見ると各SaaSの利用状況が把握できず、アカウントの管理も煩雑だ。退職時にアカウントの消し忘れなども発生し、セキュリティリスクもはらんでいる。

 こうした状況に対して、複数のSaaSに対するシングルサインオン機能と、利用状況の可視化など効率化を図る機能を提供しようとしているのが、メタップスだ。

 「SaaS自体が広まったのがこの2年。課題が表面化してきたのも最近だ。SaaSの利用は、日本では平均10種類だが、米国では1社あたり平均100種類に達している。日本も2025年には100種類まで増える。日本におけるSaaS管理の第一人者になりたい」。メタップスの山崎祐一郎社長はこう意気込む。

メタップスの山崎祐一郎社長(メタップス提供)

アカウントの30%が使われていないという試算も

 SaaS管理のためにメタップスが開発中なのが「メタップスクラウド」だ。導入しているSaaSと連携し、利用状況を可視化する。期間別、組織別、従業員別に、SaaSで発生しているコストをリアルタイムで把握。さらに、SaaSのライセンス数やアクティブアカウント数を可視化し、ログインしていないアカウントの発見やライセンス数の余りを把握できるようにする。

SaaSの利用状況を可視化し、コストも分析できる機能を提供する(メタップス)

 「米調査会社によると、契約しているSaaSのアカウントの約30%は使われていないといわれている。不必要なアカウントを削減すると、どのくらいコストが削減できるのかを知らせていきたいと思っている」(山崎氏)

 メタップスの創業事業はスマホアプリに関するマーケティングコンサルティングだ。複数のスマホアプリについて、KPIを可視化して分析したい場合に、同社のツールが使われてきた。それをSaaSについても応用した形だ。

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