災害時の助け合い調査 「共助力が高い街ランキング」1位は?(1/2 ページ)

» 2021年03月11日 20時38分 公開
[ITmedia]

 リクルート住まいカンパニーは、防災イベントなどを手掛ける百年防災社(東京都葛飾区)監修のもと、災害発生時に必要な住民の共助力について調査した。その結果「災害時に知人を助けに行く」と回答した人は、約25%だった。

 調査は、1都4県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)の1076駅に在住する人が対象。街ごとの共助力を可視化するために調査結果を得点化し、共助力の偏差値が70以上の街を得点順に集計した。

 また、近所に知り合いがいるかをベースに「その人の家の場所や連絡先を知っているか」「災害時に助けるか」などを調査した。その結果、1都4県で近所に知人がいる人は46.5%だった。                                 

 1都4県で一番共助力が高かったのが、住宅街が広がり地域イベントが活発な千葉県千葉市「西登戸」だった。2位が、積極的にコミュニティー活動をする神奈川県「大磯」。3位に、ファミリー層やシニアまで幅広い年代の方が住む東京都「駒沢大学」。次いで、空き家の再生や、起業家の誘致に積極的な神奈川県「三崎口」となった。

1都4県の共助力が高い街ランキング

 ランキング上位には戦前から人が長く住んできた街や、古くからある分譲地に人が多く移り住み住民によるコミュニティーを作り出した地域が入った。長い間住み続けている層だけでなく若者や新たに加わったファミリー層など、幅広い世代間の交流が活発な街のほうがより共助力が高くなった。

東京都共助力が高い街ランキング

 災害時に重要なことは、「自助」「共助」「公助」の3つがある。2014年の内閣府「防災白書」によると、阪神・淡路大震災で生き埋めや閉じ込められた際の救助主体のうち、最も多かったのは「自助」(「自力で脱出」34.9%、「家族」31.9%)だった。次いで共助(「友人・隣人」28.1%)によって命拾いをしている割合が高くなっている。

神奈川県の共助力が高い街ランキング
埼玉県の共助力が高い街ランキング
千葉県の共助力が高い街ランキング
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