網に紛れ込んだ熱帯魚やエイが売れている、なぜ?海外需要も(2/2 ページ)

» 2021年03月18日 14時01分 公開
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定置網の復活

 「定置網復活は漁協の悲願だった」。国頭漁協業務課の大城力課長は強調する。定置網は今年創立50周年を迎える組合の設立前から、漁業者が数人のグループで営んできた。水揚げ時は漁港がにぎわい、所得も増えたが、維持管理費もかかり、1989年に台風で網が大破してから途絶えていた。

 2012年、村の補助を受けられることになり、国頭漁協として村与那の沖合に新たに定置網を設置。作業船や蓄養施設、活魚運搬車も導入した。大城課長は「定置網で魚がたくさん捕れても、国頭は消費地から遠く、売るのが難しい。そこで財団に相談した」。漁協と財団が互いに得意分野を持ち寄り、定置網に掛かる未利用魚の販売に活路を見いだした。

 脚光を浴びたのがサバの仲間のグルクマ。鮮度落ちが早く、鮮魚としては1キロ当たり100円未満だが、大きな群れで泳ぐ性質が観賞用として受け、活魚では1キロ当たり500円以上になる。サメも種類や大きさによっては数十万円の値が付くこともある。大城課長は「これまで見向きもされなかった魚の価値が見いだされ、漁業者の所得向上に貢献した」と喜ぶ。

 OSCは水槽設置後の飼育管理事業も手掛ける。金澤課長は「今までにない魚種に挑戦するなど、毎年(水族館から)オーダーしてもらえるように頑張りたい」と力を込めた。

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