なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日スピン経済の歩き方(1/7 ページ)

» 2019年04月23日 08時33分 公開
[窪田順生ITmedia]

 またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。

 東京・池袋で87歳の男性が運転する自動車が猛スピードで、横断歩道を渡っていた歩行者などを次々と跳ね飛ばし、自転車に乗っていたお母さんと3歳の娘さんが亡くなってしまったのだ。

 この男性はアクセルとブレーキを踏み間違えていた可能性が高く、認知機能にも問題があるやもしれぬという。

 警察庁によれば、2018年に死亡事故を起こした75歳以上のドライバーは前年比42人増の460人で全体に占める割合は14.8%と過去最高。しかも、事故原因を分析したところ、ブレーキやアクセルの踏み間違いなど「操作不適」が136人と30%にも上っている。

 間違いは誰にでもあるが、こんなことで何の罪もない人々の命が奪われるなど、あまりに理不尽すぎる。行政、警察、メーカーはぜひ手を取り合って、二度とこのような悲劇が起きないような対策を講じていただきたい。

 そのように強く願う一方で、企業リスクを扱う人間としては、事故そのものだけではなく、そこから派生したある現象にも注目している。

 それは「プリウスバッシング」だ。

プリウスバッシングが起きていることをご存じだろうか(写真提供:ゲッティイメージズ)

 事故の速報が流れた段階から、87歳男性が操っていた「プリウス」にも、暴走の遠因があるのではないかというような声がSNSで飛び交ったのである。

 その代表が、シフトレバー問題である。

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